about 江下ゼミ
ここで言及しているゼミとは、明治大学情報コミュニケーション学部において江下が担当する問題分析ゼミナールです。ゼミは非公開ですが、明治大学在学生にかぎり、見学を認める場合があります。席を確保する都合上、見学希望者は事前にかならず問い合わせてください。なお、通常のゼミ以外にも外部講師を招いた研究会を随時実施しています。こちらは外部に公開する場合があります。
連絡先:駿河台研究棟507号
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2012年度の問題分析ゼミ第5回の概要です。
日時:2012年5月8日(火)16:20~20:00
会場:明治大学リバティタワー9階1098教室
参加者:20名
江下、高橋、舘G(5名)、政岡G(5名)、神谷G(5名)、中村G(5名)
欠席者:0名
1 はじめに
・ゼミ協委員から
・再来週5/23に1500円収集
・6/24スポーツ大会開催
2 ブックレビュー第4回目
湯浅『ブログ論壇の誕生』(佐々木俊尚、文春新書、2008)
ブログは、ネット上に公共圏を創りだした。
川島『ソーシャル・キャピタル入門』(稲葉陽二、中公新書、2011)
心の外部性を伴った社会関係性について説明。意図せずに影響を与える関係性である。
中村『ユニクロVSしまむら』(月泉博、日経ビジネス新書、2009)
単品小売のSPA法を取り入れるユニクロと多品種仕入れでバリエーションを重視したしまむらの2社の成功の根本にあるのは、市場読解力の強さ。
佐藤『災害とソーシャルメディア』(小林啓倫、マイコミ新書、2011)
大震災時に活躍したソーシャルメディアと今後どのように付き合っていくかを考察。
政岡『リアルのゆくえ』(東浩紀・大塚英志、2008)
「知識人」は希望を語れるか。サブカルチャーの諸問題から国家論まで、「わかりあう」つもりのない二人が語り尽くす。
加藤『社会とは何か』(竹沢尚一郎、中公新書、2010)
17世紀以降の市民社会から生まれた、市民が主体となる国家としての社会を多方面から考察。
安西『不平等社会日本』(山田昌弘、岩波新書、2004)
現在の日本は解放性が失われており、①歯医者が勝つ機会を増やす必要性、②世代を超えた階層がなくなる努力がなければ、敗者はますます生きる意味を見出せないだろう。
中川『テロ後』(藤原帰一、岩波新書、2002)
9.11以降、どのような世界でわれわれは生きているのか。そして、これから、どこに向かうのか。
上田『風評被害』(関谷直也、光文社新書、2011)
テレビによる報道や、情報量が重要となり、インパクトを重視した映像が原因で本来関係のない人が被害を被っている。そして、大震災により、日本自体が風評被害にあっている。
舘『報道再生』(河内孝・金平茂樹、角川oneテーマ新書、2010)
グーグル時代でメディア自体が変革期を迎えている。既存のメディアを否定せず、今後は一部メディアが情報を独占するのではなく新メディアを足して新たなメディア体制を創り出す必要性。
小森『全証言東芝クレーマー事件』(前屋毅、小学館文庫、1999)
本来、内輪だけでの情報がネットを介することにより表ざたになった有名なクレーム事件の全貌。
青柳『現代の貧困』(岩田正美、ちくま新書、2007)
現代の貧困の定義を提案し、日本に貧困というものが存在して、それは「あってはいけない状況」ということを認めなければこの問題は解決しない。
渡辺『災害ボランティアの心構え』(村井雅清、ソフトバンク新書、2011)
ボランティアで必要なことは、①被災地にすぐに入ってニーズにこたえること、②なんでもありの精神で被災地に入ることである。
神谷『グーグル・アマゾン化する社会』(森健、光文社新書、2006)
グーグル、アマゾンといったネットで成功した会社を例にとって、ネットの多様化と同時に、利用がそこに集中することで、さらに成功している状況を説明。
下村『ケータイを持ったサル』(正高信男、中公新書、2003)
若者たちは人間差を失ってサル化していることを、行動とコミュニケーションの面から検証。
大西『論争若者論』(文春新書編集部、文春新書、2008)
人間は、自分の考えを表現できない環境にいることは苦痛である。終身雇用が崩壊して、若者は夢を持つこともままならない。生活水準を保てればいいという傾向が増加している。
3 輪読
(1)舘グループ
課題本『ジャーナリズムの社会学』(B・マクネア/著、リベルタ出版、2006)
発表者:テイシン
発表範囲:第8章、第9章
【発表の概要】
ジャーナリズムは政治、経済、技術環境などの影響を大きく受けている。また、多様化し多用化される情報を管理することは困難で、現代はカオス的なメディア環境が創作されている。この環境の中で、情報に振り回されない為にもオーディエンスはメディアリテラシーを身につける必要がある。
(2)政岡グループ
課題本『現代ジャーナリズムを学ぶ人のために』(大井眞二・田村紀雄・林利隆/著、世界思想社、2004)
発表者:金子
発表範囲:第16章〜第18章
【発表の概要】
ジャーナリズムを活性化させるためには、取材をする側の「差異」の追求が必要。読者をマスでくくれない時代において、「メディアリテラシー」と「メディアアクセス論」という2種類のメディアとの向き合い方から、ジャーナリズムの社会的役割を理解すべき。女性やマイノリティの立場を「客観性」にどう組み込むかで、新しいジャーナリズムを生み出すきっかけになる。
(3)神谷グループ
課題本『変容するメディアとニュース報道』(萩原滋・斎藤慎一・李光稿・横山滋・川端美樹・福田充/著、丸善、2001)
発表者:今村
発表範囲:第9章、第10章
【発表の概要】
インターネットが台頭してきているが、情報の入手源のメディアとして最も多いのはテレビであり、信頼度もNHKのニュースが高く評価されている。一方、インターネットを主な情報源にしている人は他メディアへの依存度が低くなっている傾向がある。しかし、既存のメディアはこれからもインターネットと共存していくであろう。
(4)中村グループ
課題本『輿論と世論』(佐藤卓己/著、新潮社、2008)
発表者:渡邊
発表範囲:第10章〜第12章
【発表の概要】
〈輿論〉と〈世論〉を峻別するために、第一に個人が主体的に輿論を持たなければならない。空気を読むのではなく、一個人としての責任ある考えを持たなければならない。第二に、目の前にあるものが「輿論」か「世論」なのかを、自らに問いかける志向の枠組みを学び、民リテラシーを身につける必要がある。
4 反省、アドバイス
<語句説明>
【擬似イベント】(米)ダニエル・ブーアスティン「幻影の時代」参照
【沈黙の螺旋】(独)エリザベート・ノエル・ノイマン「沈黙の螺旋理論」参照
・民意リテラシーとメディアリテラシーの相違点
・発信による動員→色んな人が不要な情報で騒ぐ→無視する力を身につける
<レジュメに関して>
・不親切なレジュメ例
1)本の題名が入っていない
2)ポイント数が10-10.5より小さいもの
3)最重要なものがクリアになっていない
・前振りを概要にいれない。
・読む人に得をさせたいと思う心がけをする。
・「まとめ」は自分がどう感じたかを一言で書く。
文担当:青柳
文編集:上田
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