about 江下ゼミ
ここで言及しているゼミとは、明治大学情報コミュニケーション学部において江下が担当する問題分析ゼミナールです。ゼミは非公開ですが、明治大学在学生にかぎり、見学を認める場合があります。席を確保する都合上、見学希望者は事前にかならず問い合わせてください。なお、通常のゼミ以外にも外部講師を招いた研究会を随時実施しています。こちらは外部に公開する場合があります。
連絡先:駿河台研究棟507号
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2012年度の問題分析ゼミ第19回の概要です。
日時:2012年10月23日(火)16:20~20:00
会場:明治大学リバティータワー9階1098教室
参加者:江下、高橋、舘G(4)、中村G(5) 政岡G(5)、神谷G(3)
欠席者:3名
1 個人研究発表
(1)兼子美希:テーマ『ライトノベルにおける表紙の特徴について』
1)概要
ラノベは若者世代向けの娯楽小説であり、売れる要因の一つに「表紙」がある。表紙には女性キャラクターが多く描かれており、背景の有無により、情報量に差が生じる。
2)ライトノベルについて
10〜20代程度の世代に向けに書かれた娯楽小説である。会話中心の文章と表紙のイラストが特徴的だ。内容はもちろん、キャラクターにも力を入れている。作家育成が手厚い。文芸よりも漫画寄りである。
3)売り上げの推移
ライトノベルの売り上げは5年で1割拡大する一方、同時期に書籍全体の売り上げは約1割減少した。
4)売れている理由
メディアミックス化、会話中心の読みやすい文章、表紙、挿絵などに使われているイラストなど。
5)表紙
重要度は「内容=キャラクター」。表紙を見せるために書店では配置を工夫している。新人作家の場合、イラストレーターから発注数を決定している。近年「白地にキャラクター」が流行している。
6)表紙の特徴
・平均人数は1〜2人
・表紙男女比=11:25
・一人表紙の場合、圧倒的に女のキャラ
・背景は、イラスト:色のみ=1:2(内大半が白)
7)背景の有無
アピールしたい情報によって、背景を使い分けるべき。
8)まとめ
文芸よりも漫画に近い位置の娯楽小説である。出版不況の中、イラストやメディア比により売上が上昇している。女性キャラクター、背景は色のみの表紙が多い。背景の使い方によって、情報の優先順位が分かる。「何をアピールしたいのか」により表紙は大きく変わる。
〈コメント〉
・ライトノベルの定義を理解していない(発表者・聞き手双方とも)
・ライトノベルを語るには昔の文学に遡らなければならない
・テキストの対象は溢れているのでアプローチの方法を考えて
・分析的な見解の後に考察できることがある
(2)安西恭子:テーマ『PB食品の商品展開と売られ方』
1)概要
PBは小売企業が企画・開発する独自ブランドのこと。イオンとセブン&アイに注目してリサーチを実施した。セブンは品質重視でPBを固めて販売し、イオンは低価格重視でNBと対抗させて販売している。「作り手であり、売り手である」ことがPBの強み。
2)PBとは何か
小売企業のブランドを冠した低価格商品を指す。当初は不況時に限った需要喚起商品だった。メーカーは需要の変動に左右されず生産でき、小売企業の側も生産の主導権を握ることができる。
3)商品展開(作り方)
イオンは6,000品目、セブンは1,500品目あり、双方とも付加価値ブランドを展開しているが、イオンは製造企業を表示していないのに対し、セブンは大手製造企業に製造委託して明示している。ブランドの方向性に違いが見られる。
4)陳列(売り方)
イオンは水平陳列で品目の多さと安さを強調している。力を入れているブランドは例外的に垂直陳列している。
・セブンは垂直に陳列し、ブランド力を見せる。垂直陳列はNBブランドとの競合を防ぐ工夫か?
5)水平陳列
PB商品を横に並べて陳列する。特に目線の位置にPBを配置する。多くの商品を陳列でき、NB商品との比較がしやすい。
6)垂直陳列
PB商品を縦に陳列する。POPや看板でブランド名が強調される。統一感があり注目され易い。
7)まとめ
PB定着期には、低価格以外の強みが必要だ。イオンは水平陳列でPBとNBを対抗させる。セブンはPB商品を固めブランド力強調している。商品展開と売り方に注目すると特徴が見える。
〈コメント〉
・2社の傾向をふまえ、もう一歩踏み込んでも良かったのでは
・他のPBも余力有れば
(3)大西咲:テーマ『美容家電市場』
1)美容家電とは
・化粧品やエステを代表する美容関連市場
・白物家電やAV家電を代表する家電市場
・2市場が飽和であった所に新市場誕生
・2013年には焼く1500億規模に市場拡大予定
2)美容家電の分類
主な効果は保湿、引き締め、汚れ除去。毛髪処理など。部位は顔。髪。全体に分けられる。保湿分野に近年メーカーが力を入れている。
3)市場調査1
・大手家電量販店ビックカメラにおいて市場調査
・専門コーナーを設けている有楽町・新宿・池袋店
・曜日間差を無くす為10月6〜8日の三連休に実施
・一番混雑するといわれる時間帯の16時〜18時に絞り込む
→各店舗、来店客の年代層と状況を調査した
4)各店舗の年代層
どの店舗も30代40代の合計が7割近くにおよぶ。立地条件などの影響がなくどの店舗も年代層が安定している。
5)来店状況
30・40代夫婦で3分の1、女性の一人客で3分の1を占める。
6)市場調査2
・都内の美容家電最大面積のBC有楽町店にて調査
・滞在時間やお試しが購入にどう影響するのか
・手に取る商品の傾向はどのようなものか
・近隣コーナーとの連動性はあるのかどうか
→今の市場に足りないものが見えるのではと考える
7)8)フロア地図と店内の様子
9)結果
平均滞在時間は17.1分、購入者のみは13.6分ほど。初めて、もしくはフラッと立ち寄る人は購入しない。一番身近なドライヤーを購入する人が多く、ながら商品は手に取るも、購入にはつながらない。初めてのお客さんには説明を、決まっている人には後押しが求められる。
10)その他
池袋EchikaにCLUXTAがオープンした。客層は20代後半の仕事帰り、これから飲み会層か。メイク直しからリラックスまで時間制で自由に使用できる。池袋西口の年代層よりも表参道の駅構内はどうか。キャッチポイントを増やすことで若年層にも関心を持ってもらえるのではないか。
11)まとめ
購入者は30、40代の女性たちが多い。購入者は即決、事前に何らかの情報を得ている。お試し隊をどう後押しするかが販売の伸びを左右する。次世代ターゲットに向けてキャッチポイントを増やす。伸び続ける美容家電市場は今後、若年層を含めどのようにアプローチするかが課題である。
〈コメント〉
・データの解析で別の視点からも見えるものがある。
(4)今村汐里:テーマ『園芸業界』
1)概要
1990年中頃ガーデニングブーム到来した。ブーム時に比べて現在は花の需要が減少している。立地条件によって商品の売り方が違う。若い人、年配者で求める商品が異なる。立地や客層に会わせたう売り場作りが必要だ。
2)園芸業界について
・癒し効果やコミュニケーションの場
・緑のカーテンによる電力消費削減
・需要の低迷や安価な輸入品の増加
・ガーデニング市場は成長力を欠いている
→園芸店が売上を伸ばすのは難しい
3)ガーデニングブーム
BISESがガーデニングブームをもたらした。チャールズ皇太子の庭特集が大反響となった。女性誌がイングリッシュガーデン特集を組み、1997年に流行語大賞トップテン入賞したガーデニングブームは1990年代中頃のこと。
4)気付いたこと
売り場にピンクのチューリッップが多い。東京の店舗は比較的値段が高く、田舎のホームセンターはまとめ売りが多い。球根が売れるかどうかは写真次第。店舗ごとに値段や売り方が異なる。
年配者は一重ではっきりした色を買う。白内障によって視界が濁り黄ばんで見える。若い人は珍しい色・形のチューリップを好む。ブログなどで様々な種類を知る機会が増えた。年代によって求める商品が違う。
5)まとめ
それぞれの店舗で客層に合った商品を展開している。必需品ではないため、わくわくさせる売り場を。雑貨や寄せ植えで理想の庭を想像させる。手軽に楽しめるようなコンパクトな商品となっている。客層に合わせた楽しめる売り場が必要だ。
〈コメント〉
・マクロをおさえよう
・ブームが出るという事は必ず雑誌に動きあるから確認すること
・ブームの流れは定量化しているはずだから期間など明確に
・調査内容のデータ(数値)は可視化しよう
2 その他連絡事項
・11月27日(火) 企業プレゼン
・各社の企業プレゼンはすべて同時並行
・12月4日(火) 企業プレゼン
以上
文担当:大西
確認:佐藤
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