about 江下ゼミ

ここで言及しているゼミとは、明治大学情報コミュニケーション学部において江下が担当する問題分析ゼミナールです。ゼミは非公開ですが、明治大学在学生にかぎり、見学を認める場合があります。席を確保する都合上、見学希望者は事前にかならず問い合わせてください。なお、通常のゼミ以外にも外部講師を招いた研究会を随時実施しています。こちらは外部に公開する場合があります。

連絡先:駿河台研究棟507号
江下研究室

おもなコンテンツ
  • ゼミの活動記録
  • グループ活動の成果
  • ゼミ生によるブックレビュー
  • ゼミ生の個人研究
  • 指導教員の研究報告
  • 外部講師の紹介
  • ゼミ関係のイベント報告
このコーナーについて
2008年度問題分析ゼミ
  • このコーナーに掲載されているコンテンツは、問題分析ゼミ(3年次対象)の活動報告が中心です。
  • 1年次対象の基礎ゼミ、2年次対象の問題発見ゼミに関する情報は、「sic info」コーナーに掲載します。
  • 当サイトに掲載されている文書・図版・写真等の著作権・肖像権・所有権等は、すべて正当な権利者が保有します。無断使用・無断転載をお断りします。

ゼミの活動
  • 前後期の定例ゼミ
  • 外部講師による研究会
  • ゼミ合宿
  • 企業研修
※ 定例ゼミ以外はすべて学生による自主的な参加を原則にしています。
問題分析ゼミのテーマ
研究領域
  • 社会ネットワークの解析
  • 近代社会のメディア史
  • 情報化の進展シナリオ
  • 情報メイブンの役割
  • 娯楽産業のイノベーション
  • 国民的アイドルの誕生と消滅
  • 大衆文化における雑誌の役割
  • チャットの歴史
  • 仮想社会の社会史
  • 少女文化の社会史
  • ヤフオクの消費行動

重点スキル
  • 文章読解・作成
  • プレゼンテーション
  • インタビュー調査
  • 質問紙調査

2013年05月20日

2013年度の問題分析ゼミ火曜グループ第5回の概要です。

日時:2013年5月14日(火)16:20~21:00
会場:明治大学リバティタワー10階1102教室
参加者:15名 江下、高橋、後藤班(5)、山田班(5)、橘班(5)
欠席者:0名
 
1. 輪読
(1)橘班
課題本『若者たちのコミュニケーション・サバイバル』(岩田考、羽淵一代、菊池裕生、苫米地伸、2006)
発表者:岡部
発表範囲: 第4章 ひきこもる若者たちの自己防衛戦略、第6章 脱青年期と親子関係
【概要】
 第4章、規範意識が自己否定感・罪悪感をうみ、さらに否定的な自己を恥じ、他者の目から隠したくなる。他者と器用に関わっていくことができず、自らの精神的葛藤を助長させる状況の回避する傾向があり、社会復帰を焦ることでさらに焦燥感がたかまり悪循環に陥る。
 第6章、親の経済力は子の「豊かさ」に直結していない。だが、長引く不況により同居は自衛の手段になり、経済的自立をしていても離家せず、親と子の共依存的関係性がある。それでも親子関係の意識は以前に比べて大きく変化しておらず、「仲良し家族」の傾向は崩れていない。
 
(2)後藤グループ
課題本:『ネット評判社会』(山岸俊男・吉開範章、2009)
発表者:佐久間
発表範囲:第4章 評価と評判
【概要】
 正直で正確な評価のために評判に対しての評価であるメタ評価システムを導入すべきである。また評価の乱用を防ぐシステムや、効率的で正確な評判システムの確立が今後の課題である。ポジティブ評判は蓄積によって独自ブランドの確立につながる価値がある。
 
(3)山田グループ
課題本:『ケータイ社会論』(岡田朋之・松田美佐、有斐閣、2012)
発表者:姫野、山田
発表範囲:第8章 都市空間、ネット空間とケータイ、第9章 ケータイと監視社会
【概要】
 第8章、ケータイは都市の人々と不協和を起こす面もあったが新たな人間関係を作ってきた。人々の時間と空間の概念に変化をもたらし、これからも「複合現実感」といった概念のようにケータイ技術の進歩とともに変化をあたえていく。
 第9章、近代からケータイやスマホの普及によって監視の主体が相対化した。プライバシーの保護とサービスの向上は表裏一体で、監視されることと見守られることも同様であり、個人情報の提示範囲は各個人でちがう。どの情報を提示し、どの情報を隠すかの選択が必要。
 
2. ブックレビュー
・秋楽
『デジタル社会はなぜ生きにくいか』(徳田雄洋 岩波新書2009)
デジタル社会は一見便利だが技術の進歩が速すぎ知識伝達が不完全になってしまう。
・後藤
『ジャーナリズムの可能性』(原寿雄 岩波新書2009)
ジャーナリストはペンよりもパンをとらず責任と好奇心、正義感をもち自由に発言せよ。←ネットが普及し事実を伝える必要性はさらに高まっている。
・権藤
『次に来るメディアは何か』(河内孝 ちくま新書2010)
今あるメディアはどうなるのか、新聞離れなどは深刻である。米国ではメディアコングロマリッドによるメディア企業の復活が始まっている。
・松村
『ルポ 若者ホームレス』(飯島裕子 ちくま新書2011)
50人の若者ホームレスにインタビュー。ネットカフェやファミレスで生活する彼らは自覚や危機感も乏しく、普通の若者に溶け込んでいて不可視である。行政のセーフティネットも効果が小さい。
・姫野
『メディアと日本人』(橋元良明 岩波新書2011)
だれがどのようなメディアに触れていたのか。ネットが直接コミュニケーション低下の原因ではない。
・伊藤
『狂いの勧め』(ひろさちや 集英社新書2007)
人生には意味や希望などを持たず狂って生きることが重要。
・山口
『使ってもらえる広告』(須藤和博 アスキー新書2010)
使ってもらえる広告は、商品の機能と表現がよくないといけない。ユーザー視点のサービスが重要。
・武井
『大震災なかで』(内橋克人 岩波新書2011)
被災地に向かった33人の復興についての意見。市民社会が立ち上がって復興をすすめることも大切だが、被災者自身が復興への強い意志で立ち上がるべき。
・勝又
『テレビの21世紀』(岡村黎明 岩波新書2003)
これからのテレビは高音質高画質で多機能化し双方向メディアになる。現在のテレビは視聴者を無視できなくなってきている。
・安藤
『ケータイを持ったサル』(正高信男 中公新書2003)
公的空間に出ず私的空間で生きるようになり、お互いの存在を確認するために鳴くサルのようにメールをする。
・橘
『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚 ディスカヴァー携書2010)
ほかのデジタルコンテンツにすでに起こっている変化は電子書籍が新しい本の世界の生態系をつくるためにも同様に必要。
・ソン
『オーディション社会韓国』(佐藤大介 新潮新書2012)
オーディションブームや、親が子に対して行う厳しい教育の強要などの韓国の激しい競争社会。
 
[アドバイス・補足]
・ノートテイクはそのスクリプトの位置から論の展開を理解するために必要であり、空白にあたる部分は質問する。苦労せず説明できるようにあらかじめシュミュレーションするなどの努力をする。
・見守ることと見張られることは表裏一体で、監視体制にはパノプティコン(Pan-optic)やシノプティコン(Syn-Optic)のように1対多の監視以外にも、相互監視をするPeri-Opticがある。
 
文担当:橘
編集:岡部


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