about 江下ゼミ
ここで言及しているゼミとは、明治大学情報コミュニケーション学部において江下が担当する問題分析ゼミナールです。ゼミは非公開ですが、明治大学在学生にかぎり、見学を認める場合があります。席を確保する都合上、見学希望者は事前にかならず問い合わせてください。なお、通常のゼミ以外にも外部講師を招いた研究会を随時実施しています。こちらは外部に公開する場合があります。
連絡先:駿河台研究棟507号
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2013年度の問題分析ゼミ月曜グループ第11回の概要です。
日時:2013年7月1日(月)16:20~20:00
場所:明治大学リバティータワー16階1168教室
参加者:15名
江下、高橋、亀ヶ谷G(4)、竹島G(5)、上杉G(4)
欠席者:2名
1.論文
上杉グループ
課題論文『多様化するコミュニティ放送』(田村紀雄・染谷薫、2005年)
発表者:柳
【概要】
1995年の阪神大震災の活躍を機に、コミュニティ放送への注目度が高まった。コミュニティFMは従来のメディアとは異なる特徴を持つ。また近年コミュニティFMの自立化が進む原因として、設備等の低価格化や自治体の側面的援助などといった外部的要因と、身近で親しみやすく共通の地域環境と認識があるなどといった内部的要因があげられる。
【補足】
・移民が多い地区にコミュニティ放送は多い。震災時の多言語放送など。
・海外のコミュニティFMはNPOが運営していることが多い。
竹島グループ
課題論文『震災時のメディア環境と地域メディアの要件』(植野和文、1997年)
発表者:山中
【概要】
地域社会の形成においては地域コミュニケーションが重要であり、その媒介として不可欠なのが地域メディアである。震災時には、マスメディアの一過性報道などの問題点を補う働きとして地域メディアが機能した。また地域メディア、マスメディア、パーソナルメディアが連携し被災者のニーズを最優先したことによって、震災対応を容易にした。これからも、情報社会にふさわしい地域メディアが期待される。
【補足】
・震災時に発行される「希望新聞」は毎日新聞の折り込みからスタートした。一昨年に発生した東日本大震災の時も発行された。
亀ヶ谷グループ
課題論文『コミュニティ活性化に貢献する企業行動を巡る一考察
‐ソーシャルキャピタル論と社会的マーケティング論の融合を目指して‐(大江ひろ子、2008年)
発表者:亀ヶ谷
【概要】
都市構造の変化や個人主義の台頭により地域コミュニティの崩壊が深刻化した。地域コミュニティの再生は人々の意識改革を目指すものであって、そこでは地域ネットワークの構成員同士の信頼や協力意識の向上が必要とされる。地域における協働による産物(ソーシャルキャピタル)がコミュニティ再生の原動力である。また、企業との協働・共存関係を築く必要性もある。
【補足】
※マーケティング本の紹介
・『競争優位の戦略』(マイケル・ポーター)
・『マーケティング原理』(フィリック・コトラー)
・『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン)
・『経営革命の構造』(米倉誠一郎)
・イノベーションマネジメント入門(一橋大学イノベーション研究センター{編})
2.ブックレビュー
・紀井
『限界集落の真実』(山下佑介、ちくま新書、2012年)
限界集落論は政府やマスコミによって作られた問題という側面もあるが、これから危惧すべき問題でもあり、解決には地域の主体的なまとまりが必要である。
・鈴木
『働き方革命』(駒崎弘樹、ちくま新書、2009年)
今の働き方に自分たちの手で「革命」を起こしていかなければならない。政策の完成を待っていたら日本は問題が山積みし、破綻してしまう。
・石原
『原発をつくらせない人々』(山秋真、岩波新書、2012年)
山口県上関町祝島では約30年にわたり反対運動を続け、原発開発を遅らせることに成功した。多彩な人々が協力することで国策である原発をつくらせないことができる。
・亀ヶ谷
『「ニート」って言うな!』(本田由紀、光文社新書、2008年)
英国で生まれたニートの概念は、「求職型」「非求職型」「フリーター」「非希望型」で構成されていた。しかし日本でのニートの概念は、「求職型」と「フリーター」が除かれている。そのためニートは働く意思がない若者と強調され、すべて自己責任ことに還元されてしまい、若者を取り巻く労働市場に目が向けられにくくなっている。
・高江洲
『NYで大成功した日本人から学ぶ億万長者になる7つの鉄則』(大根田勝美、朝日新書、2013年)
自分にとって本意ではない道に立ってしまっても、それを置かれた環境のせいにするのではなく、どのようにすれば変えられるか考えて行動することが第一である、当たり前のことを全力で行うとき、歩みは自然と前に向いている。
・遠藤
『反貧困』(湯浅誠、岩波新書、2008年)
反貧困を目指すには、政府に認めさせる必要がある。そして貧困を無くすことで「強い社会」を作り上げる必要がある。
・竹島
『認められたいの正体』(山竹伸二、講談社新書、2011年)
承認不安を抱える人々はその不安を解消するために一般的他者の視点を持つことが大切である。
・田辺
『ブランドビジネス』(高橋克典、中公新書、2007年)
ラクレブランドは目に見えない概念であり、永続性が消費者の安心を生む。
・上杉
『不平等社会日本』(佐藤俊樹、中公新書、2000年)
日本社会の学歴観や職業観は「努力しても仕方ない」と「努力すればナントカなる」の間で揺れ動いてきた。学歴に変わる代理指標や社会制度を見直す必要がある。
・柳
『「世間」とは何か』(阿部謹也、講談社現代新書、1995年)
私たちの誰もが世間という言葉を使っているし知らない大人はいない。しかし世間とは何かについてきちんと答えられる人はいない。また世間を社会と同じものだと考えている人もいるが、世間は社会とは違う。
・小林
『新聞記者という仕事』(柴田鉄治、集英社新書、2003年)
新聞に対して厳しい目が向けられている今、「権力を批判し、平和と人権を守る」という新聞の原点に立ち返ることが必要である。
・吉田
『ブランド』(石井淳蔵、岩波新書、1999年)
製品と名前のあいだのメッセージ性とメディア性が交錯することで、ブランドの価値が創り出される。ブランドは製作者にも消費者にも多大な影響を与える。
以上
文担当:山中
編集:遠藤
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