2010年度の問題分析ゼミ第2回の概要です。
日時:2010年4月20日(月)16:20〜19:30
会場:明治大学リバティタワー8階1082教室
参加者:全21名
江下、西林G(5名)、稲川G(5名)、田邊G(5名)、内木G(5名)
欠席者:なし
1 連絡事項
・来週は教室変更があるかもしれない。
・ゼミ単位で行う就職相談会の日程を6/1(火)のゼミの時間に設定する。
2 輪講
(1) 西林グループの発表
課題本『流言の社会学 形式社会学からの接近』(早川洋行/著、青弓社、2002年)
発表者:渡辺
発表範囲:第1章
【発表の概要】
流言は多種多様で学際的なテーマである。先進国共通の生活様式に根ざすグローバル面と、生活世界の範囲を顕在化させるローカルな面も持ち合わせている。そして、時代と社会を映し出す、優れた社会学的資料である。
ここでの流言の定義は、コミュニケーションの連鎖内で発生し、短期間で大量・ほぼ同一内容の言説である。流言は、人と人とのコミュニケーションの形態の一種であり、水平的に伝播する。
(2) 稲川グループの発表
課題本『うわさ』
発表者:稲川
発表範囲:第1章
【発表の概要】
うわさとは非公式の情報であり、その情報自体の真偽を問題としない。うわさを作り上げるのは大衆・集団である。うわさの出所はさほど重要ではなく、広まる過程に注目する。人間の証言は完全に正確というわけではなく、信憑性が低い。重要度あるいは関心度が高い内容がうわさになる。
(3) 田邊グループの発表
課題本『噂の研究』(ハンス=ヨアヒム ノイバウアー/著、青土社、1999年)
発表者:小田
発表範囲:第1章
【発表の概要】
噂は古代世界から、重要なメディアとして存在していた。古代ギリシアの文献に噂の痕跡が多く残っている。噂には絶対的な力があり、噂=神というように考えられていた。そして、捉え難く、流動するメディアと考えられていた。噂は"社会集団の記憶"と言われ、監視者としての機能があった。噂自体が変化しながら、自動で反復していった。
(4)内木グループの発表
課題本『うわさが走る―情報伝播の社会心理』(川上善朗/著、サイエンス社、1997年)
発表者:土屋
発表範囲:第1章
【発表の概要】
うわさは現実に即したある真実を伝達し、自分の身辺の情報はうわさによって伝達される。うわさには伝えたい内容と気持ちがあり、多方向に発信することができるため、一方向に発信する伝言ゲームとは似て非なるものである。うわさは、安定した状況が崩壊したときに能動的に再定義され、精神安定しようとして発生する。相互作用をしながら伝達され、現代ではSNSや口コミが社会を動かしている。うわさは普遍的なコミュニケーションである。
以上
文担当:西林グループ 嵯峨