2010年度:問題分析ゼミ[8]

2010年度の問題分析ゼミ第8回の概要です。

日時:2010年6月8日(火)16:20~20:50
会場:明治大学リバティータワー6階1061教室
参加者:20名
江下、稲川G(5名)、田邊G(4名)、内木G(5名)、西林G(5名)
欠席者:1名

1 連絡
1-1 合宿での分科会について
・合宿では4つの分科会に分かれ学習する。各人4つの会のいずれかに所属する。
・各分科会には他大学の方との共通テキスト(ネタ本)が指定され、それを読んだ上で意見の発表と交換を行う。
・読んだ人が他のメンバーに情報を提供し、効率的に情報の共有化を行うことが望ましい。
・役割を決めることが重要である。
・発表は、各大学15分の予定である。
・分科会での発表には時事的なことも含めたい。
・分科会についての詳細はmixiのトピックにて後日伝えられるので、各人確認すること。

1-2 合宿下見について
・参加者は相談の上、数名がカメラを持ってくること。
・参加人数の確認(ゼミ時間内に済)
・バスの手配の確認。バスの貸し切り、和泉校舎入校許可証が必要なことの確認。

1-3  輪講の発表について
<輪講が2回目に入るので、それを受けて先生からのアドバイス>
・発表は「慣れ」が大切であることの再確認
「うまくやろう」と考えない。3分間で言いたいことを言いきる。残りの12分は知識を引き出せばよい。
・発表の形式について
今回から教室の前で立った姿勢での発表。レジュメにちょっとしたメモをしたものをチラ見するだけで発表を最低限の目標とする。最難関に挑戦したいものは何も見ない状態での発表をする。

2 輪講
2-1 田邊班
発表者:秋山
課題本:『キャズム』(ジェフリー・ムーア/著、翔泳社、2002)
発表範囲:第一章
【概要】
新たなハイテク製品が市場に受け入れられる為には適切なマーケティングを行う必要がある。市場の顧客はいくつかのタイプに分類でき、それぞれ異なった特徴と規模を有する。それらの顧客はハイテク製品を受け入れ方でイノベーター、アーリーマジョリティー、アーリーアドプター、レイトマジョリティー、ラガードに分類できる。本書ではこれらの顧客に製品をスムーズに受け入れてもらう為の方法として、適切なマーケティン方法について述べている。特にアーリーマジョリティーとアーリーアドプターの間に存在する溝(=「キャズム」)を超えることが重要である。そのために各グループの特徴を知る必要がある。

質問:
Q. (配布されたレジュメの三つめのスライドに関して)ハイテク嫌いが知らずに購入するというのはどのようなことか?
A. (具体例として)最新のコンピュータを嫌っている人物が、新型の車を購入した際にそのコンピュータが搭載されていて、間接的にそのコンピュータを購入していたということがある。

Q. アーリーマジョリティーは先行例を求めるが、アーリーアドプターが参考にならないのはなぜか?
A. アーリーアドプターはその商品の購入に「変革」(今までとの不連続性)を求めていて、アーリーマジョリティーは「生産性の上昇」(今までとの連続性)を求めているので参考にならない場合が多い。

先生からのコメント
「キャズム」に限らず、マーケティングにおいて、先付け的な「参与観察」は重要である。(ポスシステムなどは裏付け的な意味合いをもつマーケティングである)

2-2 稲川班
発表者:上田
課題本:『バズンマーケティング』(マーク・ヒューズ/著、ダイヤモンド社、2006)
発表範囲:第一章~第三章
【概要】
「バズ」の定義は「注意を惹き会話の糸口となるもの」であり、バズマーケティングは口コミなどを用いたマーケティングのことである。予算をかけること以上に頭を使った発想でマーケティングを行うことが大切である。独創性を以て、従来のテレビ・活字広告以上の効果が期待できる。バズの六つのボタン(「タブー」「突飛なこと」など)を押すことが重要である。そこでは「注目」と「信用」が口コミのカギとなる。

先生からのコメント
具体例として、
・グーグルがツイッター上で「CMをやる」といったことをつぶやき、そのCMに皆が注目し、YouTubeに投稿したりすることで一回のCMでものすごい広告効果を上げたこと。
・日本では当初「ダサい」とも思われるソニーのウォークマン(のヘッドホン)を渋谷で着けさせ、広告にすることで、アメリカで流行らせ、逆輸入のような形で日本で流行るといった過去の現象。
これらもバズで説明することが可能である。

2-3 内木班
発表者:土屋、羽石
課題本:『ツイッターノミクス』(タラ・ハント/著、文藝春秋、2010)
発表範囲:第一章、第二章
【概要】
社会関係資本として「ウッフィー」の重要性について。ウッフィーは抽象的なものだが人物や会社に対する評価で、通貨のように捉えることも可能である。しかしながら、金銭で得ることはできず、信頼関係によって生まれる。ウッフィーは経済資本とも相互作用し、また新たなアイディアをもたらしてくれることもあり、マーケティングにおいても重視される。ウッフィーを増やすには、好かれる、つながる、一目置かれる、の三点が重要であり、SNSはウッフィーを増やすのに適したツールである。ウッフィーを得るのには地道な努力が必要であり、その為の原則はオバマ大統領の選挙活動などと比較しつつ説明できる。ウッフィーによる口コミの宣伝力は広告に勝る場合がある。

2-4  西林班
発表者:西林
課題本:『刺さる広告』(レックス・ブリックス、グレッグ・スチュアート/著、ダイヤモンド社、2008)
発表範囲:第一章~第四章
【概要】
現在のマーケティングはアカウンタビリティの欠如、インターネットの登場などによって崩壊している。また既存のマーケティング組織の文化による害悪もそこには存在する。より効果的なマーケティングを行う為には4M(media どこで、 messageメッセージを伝える、 motivate 動機、 maximization知識の共有化)を意識し、マニュアル化など知識基盤を確立する必要がある、

質問:
Q. (発表中にマーケティング組織の話があり、それを受けて)「マーケター」とは?
A. メーカーなどの商品を売りたい側のこと(広告代理店と協力する)

Q. マーケターの任期が23カ月というが、それはある企業の話なのか?
A. それは特定の企業ではなく平均的に23カ月ということ。

先生からのコメント
・マーケティングや社会調査において、相関と因果の勘違いに注意すること。
・ミクロの話とマクロの話も混同しないように注意する必要がある。

3 その他(サブゼミ)
※サブゼミなのでその内容にまでは細かく触れないが、各人のオススメの作品などが多くあり、後日確認しやすいように議事録にも記録した。

今回はコンテンツ班による発表

◇小説・マンガ・ゲーム班◇
オススメの小説・マンガ・ゲーム
『その日の前に』重松清
『清村くんと杉小路くんと』土塚理弘(マンガ)
『蒼穹の昴』浅田次郎
『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・』(ゲーム)
『ハリーポッター』シリーズ J・K・ローリング
『すべてがFになる』森博嗣
『模倣犯』宮部みゆき
『漢検DS2』 (ゲーム)
『麦の海に沈む果実』恩田陸
『魔王』伊坂幸太郎
『OverDrive』安田剛士(マンガ)

◇音楽班◇
あるテーマから各人が連想、オススメする曲
〈夏の晴れた日に聞きたい曲〉
「idols」DJスピナ (Spina)
「Blue Dawn」杉山泰
「a walk in the park」安室奈美恵
「夏なんです」はっぴぃえんど
「Empire State of Mind」JAY-Z feat アリシアキーズ
「ゴムゴムのバズーカ」田中公平

〈落ち込みたい時に聞く曲〉
「Safe from home」Massive Attack
「プール」秦基博
「I've Seen It All」Bjork, Thom York
「Violin Concert」チャイコフスキー
「Alone again」ギルバート オサリバン
「かごめかごめわらべうた」

〈各人がテーマを決めて一曲〉
「Um Thrathnona」[日常]
「Precious Junk」平井堅[ポジティブになれる曲]
「Fan」にせんねんもんだい[最近好きな日本のバンド]
KREVAメドレー[好きなアーティイスト]
「Transration」美女と野獣[好きなディズニー音楽]

◇映画・アニメ班◇
各人がオススメする映画・アニメ
『ヱヴァンゲリオン新劇場版』
『機動警察パトレイバー2 the movie 』
『ディア・ドクター』
『ゴールデンスランバー』
『リリイ・シュシュのすべて』
『交響詩篇エウレカセブン:ポケットが虹でいっぱい』

以上
文担当:田邊班 荒井