2010年度:問題分析ゼミ[17]

2010年度の問題分析ゼミ第17回の概要です。

日時:2010年10月05日(火)16:20〜20:30
会場:明治大学リバティタワー6階1061教室
参加者:全22名 
江下先生、内木G(6名)、西林G(5名)、稲川G(5名)、田邉G(5名)

1.連絡事項 
企業訪問のプレゼンについて
 内容を決める際に、「3T(theme,target,timing)」が大切である。その点を踏まえてコンセプトなど決めるように。

2.輪講

(1)田邉班の発表

課題本:小川孔輔/著『ブランド戦略の実際』

発表者:秋山

発表範囲:第3章1,2

【発表の概要】

新製品作りに必要な差別化のポイントとして、消費者の知覚による差別化・企業のマーケティング活動による差別化・法的制度的差別化がある。製品技術による差別化が重要であり、マインドシェアやマーケットシェアは相関すると言える。商品の適切な位置づけを探すことも大切だ。

発表者:荒井

発表範囲:第3章3,第4章1

【発表の概要】

ポジショニングには価格や流通形態が関わっている。高価格・競争的価格・低価格の三通りが可能であり、特に高価格では優位性や新規性、低価格では他企業への追い出しなどがある。流通の系列化によるブランドイメージづくりや、ターゲットを定めた戦略によるポジショニングが行われる。

発表者:肌附

発表範囲:第4章

【発表の概要】

重要なシンボルのマネジメントとして、ブランド名は聴覚的・視覚的に情報をインプットする。パッケージ・デザインは消費者を引きつける商品情報伝達機能や、外側から守る商品保護機能がある。長期的マーケットシェア=累積トライアル率(一度でも買ったことがあるか)*リピート率である。共食いしないためにも、カテゴリー・マネジメントできる人材が必要である。

(2)稲川班の発表
課題本:田中洋/著『企業を高めるブランド戦略』

発表者:金子

発表範囲:第2章

【発表の概要】

消費者は既存製品に飽きやすいので、新製品は企業存続の生命線である。新ブランド開発の3ステップとして、テリトリーの決定・ポジション確認・市場テスト実施、新ブランド開発の三要素として、らしさ・名前・プロモーションが挙げられる。

発表者:篠崎

発表範囲:第3章

【発表の概要】

成熟ブランドというのは、顧客離れが進み、お荷物になっているが、破棄することのできない企業である。活性化のためには、ブランド分析・マーケティング課題の発見・戦略立案・フォローアップが必要となる。

発表者:稲川

発表範囲:第4章

【発表の概要】

日本は企業ブランド社会が特に顕著である。その背景としては、財閥は巨大グループ企業の存在や、強固な企業との流通経路があった。企業に求められるのは「ブランドスピード力」(ついポチっとクリックしてしまう)である。

(3)西林班の発表
課題本:阪本啓一『つまりこういうことだ!ブランドの授業』

発表者:藤原

発表範囲:第3講

【発表の概要】

世の中に何を伝えたいのか、その思いをメッセージにして伝えることに価値がある。親しみを持ってもらえなければ発展性はなく、イメージとブランドゾーンは相互に作用する。商品が選ばれるための信号がイメージである。

発表者:井上

発表範囲:第4講

【発表の概要】

価値をつくったら、次は「とんがらせる」ことが必要である。とんがらせるとは「絞り込む」と同義であり、商品を選ぶ特徴・こころに刺さるものである。ネーミングには、価値を言い得ている・耳に心地よく響く・記憶に残るという3つのポイントがある。

発表者:西林

発表範囲:第5講

【発表の概要】

価格は、宣言・責任・納得の三要素でできている。その対価は、お金・時間・応援票である。顧客の思いをすり合わせることが必要であり、単なる値引きよりもストーリーや哲学を前面に押し出す。高いものは高いから買う、というように価格許容ゾーンを把握することが大切である。

(4)内木班の発表

課題本:石井淳蔵/著『ブランド--価値の創造--』

発表者:土屋

発表範囲:第2章

【発表の概要】

使用機能横断型ブランドには、同じ技術で使用機能を横断するGN(技術ネクサス型)、ブランド名だけが頼りのBN(ブランドネクサス型)がある。BN型は具体的な指示対象が存在していないため、戦略的にマーケティングを行う必要がある。ブランドだけが本質を説明できるものである。

発表者:吉武

発表範囲:第3章1,2

【発表の概要】

スタイルは市場の消費アイテムであり、横断的な統一性や差異性が価値である。ブランドは消費者の心にある財産で、目に見えないアイデンティティである。ファッションブランドや日用品における価値はスタイルや機能には還元できない。

以上
文担当:内木班 吉武