2013年度の問題分析ゼミ月曜グループ第3回の概要です。
日時:2013年4月29日(月)16:20~21:00
場所:明治大学リバティタワー16階1168教室
参加者:全19名
江下、高橋、亀ヶ谷G(5)、竹島G(5)、上杉G(5)
聴講:橘、山田
欠席者:0名
1、 輪読
(1)亀ヶ谷グループ
課題本『都市社会の人間関係』(森岡清志/著、放送大学教育振興会、2000)
発表者:石原・鈴木
発表範囲:第3章(石原)第4・5・6章(鈴木)
【発表の概要】
・都市における社会的ネットワーク研究には多くの仮説が存在
・どの社会ネットワーク論も発展途上
・都市度からワース理論と下位文化理論を検証
・ワース理論は不十分、下位文化理論は要検討
・日本でも下位文化理論の検証実験を実施
・機会・制約に着目した調査で都市社会の人間関係が明確化
・都市化により「家」中心の親族関係が衰退し都市に親族ネットワークが拡大
・しかし少子化により規模が縮小
(2)竹島グループ
課題本『うちの子よその子みんなの子』(貝塚子育てネットワーク/著、ミネルヴァ書房、2009)
発表者:山中
発表範囲:第2章
【発表の概要】
・貝塚子育てネットは1988年に公民館の要望で発足
・活動の中で様々な年代と交流・学習し子育てへと反映
・組織の一人一人の尽力により徐々に自立性を高め高評価
・20年以上にわたり活動を継続
(3)上杉グループ
課題本『コミュニティ・メディアコミュニティFMが地域をつなぐ』(金山智子/著、慶應義塾大学出版会、2007)
発表者:小林
発表範囲:第2章
【発表の概要】
・防災を目的に第3セクター型コミュニティFM登場
・行政と連帯した地域情報番組の増加
・行政との補完関係を築くため日常的コミュニケーションが必要
・しかし一企業としての経営的自立が急務
・効果的な広告戦略による認知度の向上が課題
2、 ブックレビュー
※前回(4/22)できなかった者のみが発表。
・三宅
恒吉僚子『人間形成の日米比較』中公新書(1992)
日本は集団主義であり米国は個人主義であるため教育方法が違うが、だからこそ互いの主義を採用すべきである。
・田辺
徳田賢二『お買い物の経済心理学』ちくま新書(2011)
セールの時など買い物は人々を幸福にするが、この仕組を解き明かし購買意欲を煽れば消費が増え経済は活性化する。
・小林
松永和紀『メディア・バイアス』光文社新書(2007)
「あるある大辞典」の納豆ダイエットなどの杜撰な番組作成はテレビ局ばかりが非難されるが、実は研究者の私利私欲や国家間の思惑が絡んでいる場合があり、情報を安易に信用しないことが必要である。
・紀井
高橋昌一郎『感性の限界』講談社現代新書(2012)
人間は自らの意識の外で意思決定してしまう場面があるが、これには自律的システムによるアンカリング効果などが作用しており、ここに人間の不合理性が垣間見える。
・吉田
松元雅和『平和主義とは何か』中公新書(2013)
平和とは決して戯言などではなく、変動する世界の中で、軍事手段と非軍事手段のどちらを行使すべきかには己の判断が求められる。
・石原
中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書(1967)
日本では集団重視、米国では個人重視で、例えば日本では同僚より上司との関係を重要視するが、そこでどれだけ上司との共通点を見つけ出せるかが重要である。
・高江洲
小林哲夫『高校紛争 1969-1970』中公新書(2012)
学生運動が盛んだった当時、高校生までもが社会に異を唱え変革を求めたが、中には暴力的行動自体に憧れを抱くものもいた。しかし現代の学生も自分の考えを持ち政治に訴えることが必要である。
3、 反省・アドバイス
・コミュニティとネットワークの違いをはっきりさせることが必要
・ブックレビューは本全体の要約を簡潔に述べることが重要
・全体的な時間のペースアップ
・愛知県で当時行われた管理教育について各自調べるように
文担当:紀井
編集:遠藤