2013年度:問題分析ゼミ[火24・月23]

2013年度の第24回(火)/題23回(月)問題分析ゼミの概要です。

日時:2013年11月26日(火)18:30~21:10
場所:明治大学リバティタワー 9階1096教室
参加者:全36名 江下、高橋、橘G(8)、山田G(7)、亀ケ谷G(7)、小林G(7)、OB(2)、山下さん、森永さん
欠席者:1名

1 ぶつかり稽古「ポストLINEを考える」

・後藤班
<企画概要>
手間の省略を望む、友達からの情報を信頼する、という大学生の特徴を踏まえたサービスが必要だと考える。そこで口コミをLINEのタイムライン上で共有するという新機能の追加を提案する。現在のLINEの特性を生かすことで、既存の口コミサービスにはない質の高い情報の入手が可能になる。今後はプロモーションに力を入れ利用者の増加を目指し、将来的には飲食店以外の情報共有も視野に入れている。既存の口コミサイトとは異なる強みを持ち、LINEだからこそ成り立つ情報共有サービスになり得る。

<コメント>

・プレゼンテーションとして何を伝えたいのかが分かりにくかった。
・LINEに新機能を足すということは、LINEを超えるものはないという前提がある。それを明言してほしかった。
・類似のアプリやサイトの表示形式や内容などをもっと詳しく研究してほしい。
・LINEを壊せないと思った理由は?→既読機能という煩わしさがあってもなおユーザーが増え続けているという現状がある以上この壁を壊すことは難しいと考えた。
・単純な興味として。手間を省くという大学生の心理があるのなら情報処理能力は上の世代に負けてしまうのでは?それに対する危機感はある?→情報を検索し処理する世代なので能力の種別は異なるが能力自体が劣るとは考えていない。→どうでも良い情報と知りたい情報を自分で判断しているため、情報処理に偏りはあるが能力が劣っているとは考えていない。

・小林班
<企画概要>
情報を求めるときに、リアルタイム性を選ぶか、正確性を選ぶか、という選択に迫られる。そこで、双方を同時に得ることのできるSNSアプリ「GPiS」を提案する。GPiSはユーザーに「人の位置が分かる」、「混み具合が分かる」、「最適ルートが分かる」という3つの機能を提供する。友人とつながることによって、友人の位置を把握できる。周辺の施設を表示する既存のアプリに、その店の混雑状況を追加した。さらに、友人のよく通る道を記録し、最適なルートを提供する機能も付加した。現在位置と周辺情報というリアルタイムな情報と、GPS情報の蓄積という正確性の両立を実現するアプリとなっている。つまり、「リアルタイム」と「GPS」の融合が「GPiS」である。

<コメント>
・LINEとの関係性は?→共存の方向で考えている。
・友人をタップするとLINEのトーク画面が表示されるなどの機能があれば、LINEとの競合も可能では。
・自分の現在位置を非表示に出来る機能もあるべきでは。
・Googleが収集していない交通量などを収集しようという考えや、プライバシー面を考えた点は良かった。
・「WAZE」という、自動車が通る道路の道の状況などを教えあうサービスがあるが、それの徒歩版と考えれば実現可能性もある。
・利用者の切実なニーズに応えるというのも正確性の面では重要なので、幅広いニーズに応えるというだけでは見えてこない面もある。そこを考えると面白い。
・位置情報が知られたくないこともあるし、悪用される危険性もあるのでは。→友人に位置情報を開示する「許可」を得ようと考えている。

・亀ケ谷班
<企画概要>
LINEは対面の会話に近いやりとりが出来る手段である。トークを見返すことが度々あるが、内容を抽出できない現状に改善の余地があるのではないかと考え、抽出・分類する機能を提案する。現状では、内容を見返したいときはいちいちさかのぼる手間やスクリーンショットで保存する手間などがある。そこで「トークフォルダ」機能を追加し、抽出した内容を内容の種類別に分類し保存できるようにした。1文も一連の流れも抽出できる。この機能によって手間や時間の省略につながり、予定などを忘れた際のトラブルの回避にもつながると考えられる。

<コメント>
・具体的なアイデアで実現可能性が高い点は素晴らしい。
・内容を3種類に分けた理由はあるか。抽出した内容がどこにあるのかすらわからなくなることもあるが。→LINEがシンプル性を重視しているとあったので、シンプル性を重視した。
・抽出した内容が溜まっていくとトークフォルダ自体が膨大になってしまうのではないか。その点の解決策はあるか。検索機能などは考えたか。→検索機能も考えたが、「明日」や「明後日」がいつのことか分からないという点を考えて、検索機能はやめた。
・「自分たちが使いそうだな」という観点で考えている具体性は良い。

・岡部班
<企画概要>
LINEには①相手の表情が見えない、②トークの内容が流れてしまいがちであるという2つの問題点がある。そこでLINEの更なる使いやすさを追求し、よりイマーシブなUIにすべく「LINE Marble」を提案する。具体的な機能としては、相手の感情・場所・状況をスタンプを利用して半自動的に表示することでより現実に近いコミュニケーションが可能にする。これは広告ビジネスやスタンプの購買にもつながると考えられる。そしてトークの埋没・分断を防ぐ為にしおり機能を追加する。企業が利用者の行動ターゲティングをする際にも活用できると考えられる。以上のようにイマーシブさと企業メリットを兼ね備えLINEの現状を改善したものが「LINE Marble」である。

<コメント>
・トーク上のしおり機能とタイムライン上で配信される企業クーポン重複するのでは?→タイムラインよりもトークの利用率の方が高いという実感の上で判断した。
・相手の状況をどのように反自動的に把握するのか。自動的な自己表現のアイデアは?→一定のユーザーが使えば良いと考えた。他アプリと連携をすることで自動的な自己表現も可能になる。
類似の機能であるLINEのひとこと欄を変える習慣が今の時点でユーザーに定着していないのでは。→ひとこと欄は状況というよりも個性の主張。今回提案した機能とは使われ方が異なると考えた。また、自動のスタンプの流用も新しい面白味があると判断した。
企業クーポンへのしおり機能は企業側の効果指標になる為メリットになり得る。良いアイデア。
LINE Marbleという名前の由来は?没入型とは?→他アプリをも横断的に巻き込むという意味でMarbleという単語を使用。没入型=イマーシブ。世界に入り込んでしまう、という意味。
居場所表示の方法は?→位置情報機能と連動、もしくは手動設定。

2 総括

リアリティが欠けているグループが多い。GPSを取り上げているが、大半の人はGPS機能をオフにしている現状があるので、GPS機能を付加するとしてもリアリティがないのでは。LINEに追加するというスタンスばかりだったが、1つくらいLINEを超えるサービスを考えても面白かった。

企画を考えるときに理屈で考えてはだめ。今ないものを考える際は、欲求に素直になるべき。今ある機能を肯定する先に、新サービスは生まれないという意志を持つことが大切。「未来こうなるといいな」というものに素直に挑戦すること。理屈で考えたことは他の人もすぐ考えること。想像力を豊かに考えると良い。企画とは試験ではなく、明日の答えを提案することである。「私はこういうものが使いたい」という切実さが重要である。もっと言葉にセンシティブになるべきで、提案するときに何か言葉をつけることが大切。

ブレストの際には、とにかく量が重要。LINEに限らず、スマホの不満などのような上位概念でブレストをするのもヒントになる。悪いところだけでなく、良いところも書き出すと良い。意見が割れたときこそ議論のしどき。少数派の意見こそ掘り下げていくと良い。そこに切実なニーズが潜んでいる可能性がある。ブレストは合意を得るものではなく、アイデアを育てるもの。

プレゼンでは何を伝えるかが一番重要。最初からソフトウェア上で考えると、ソフトウェア内の思考に偏ってしまう。ギリギリまで紙媒体で考えるとより独創的なプレゼンができることもある。

企画の本質は、その機能を使いたい人がいるかというリアリティである。

森永さんが考えるポストライン...既読の有無や留守電機能、スタンプの自作など。SNSが複数ある今、メッセージの重要度が整理できるようなサービスが欲しい。

山下さんが考えるポストライン...ログイン状況が知りたい。

以上

文担当:伊藤・吉田
編集:遠藤・岡部