2017年度:問題分析ゼミ[16]

2017年度の問題分析ゼミ第16回の議事録です。

日時:2017年10月24日(火)15:20~17:00
場所:明治大学リバティタワー13階1131教室
参加者:17名

1.個人発表
発表者:谷川
タイトル:女子高生と制服
【発表の概要】
 1960年代前半、学校の象徴として、また女学生を管理する名目で制服が誕生した。1980年代の制服モデルチェンジブームにより、「女子高生」としての価値が向上し、その価値は定着した。
 先行研究から、制服は学校や社会の状況によって着こなしが変化していること、女子高生は「女子高生」という記号的意味を上手く利用しつつその中に自分らしさを求めていること、メディアが理想の女子高校生像を発信していること、を読み取った。
 研究の方針としては、『Seventeen』や『Popteen』等雑誌を用いて、メディアにより変化している女子高生の着こなしや、メディアが女子高生の着こなしに与える影響を研究する。

【先生のコメント】
・「自分らしさ」のベースを明確化する必要性がある。学校が提示する「高校生らしさ」と、高校生の考える「高校生らしさ」があることに注意する。
・都心と地方との差異に注意が必要である。
・今のおしゃれは1960年代の私服・アイビーに通ずる。
・闇雲に調べて後から後付けするなど、地道にたどることが求められる。

発表者:平内
タイトル:雑誌『CanCam』からみる働く女性の理想像の変遷
【発表の概要】
小学館はキャリアを重視した雑誌が多いため、20代OL向けである小学館の雑誌『CanCam』を調べることで働く女性の理想像の変遷を追うことができると考えた。また『CanCam』は、エビちゃんブームを生じさせるなどOLに影響を及ぼしている。
 先行研究から、赤文字系雑誌は大学で恋愛する女性像から職場でキャリアも恋愛も女性像を映し出すようになったこと、黒永知永子のロールモデルが女性の生き方に影響を与えたこと、『VERY』に映し出された働かなくても経済的に余裕のある生活を送れることがステータスである幸福な専業主婦像を読み取った。
 研究の方針としては、『CanCam』から働く女性の理想像とOLの変化を研究する。

【先生のコメント】
・『CanCam』を読み物として扱ってしまうことへの注意が必要。
・先行研究で扱っていた米澤さんを始めとする著者の思い込みが介入している論文を扱う際、注意が必要である。
・蛯原友里の演出してきた人生モデルなのか、蛯原友里本人の人生モデルなのか、着眼点を明確にすべきである。また、ブームの期間を明確にすべきである。

2.ゼミナール協議会について
・11月11日に開催されるかもしてないゼミナール協議会には参加しない。
・資料を作成し個別説明会にて配布。また、webでも開示する。

以上
文章担当:新見
編集担当:上杉