2020年度問題分析ゼミ第6回の議事録です。
日時:2020年6月16日(火)15:20-18:35
会場:zoom
参加者:22名
江下、高橋、矢野G(5名)、三ツ松G(6名)、佐藤G(5名)、安藤G(6名)
欠席者:0名
遅刻者:0名
1 グループ発表
(1) 矢野グループ
・発表者:若松
・課題本: 北野圭介『新版ハリウッド100年史講義』(2017)
・発表範囲:3、4章
[概要]
1940年代にハリウッドは独占禁止法とライフスタイルの変化とマッカーシズムが原因となって衰退し始めた。1950年代は冷戦への不安と緊張が映画業界にも影響を与えた。1960年代は政治の季節であり、その中で揺らぐハリウッドは大作主義と作家主義に二極化していった。
(2) 三ツ松グループ
・発表者:山口、三ツ松
・課題本:山森宙史『「コミックス」のメディア史』(2019)
・発表範囲:1、2章
[概要]
1章
マンガ単行本は雑誌の付属物・低俗出版物として扱われていた。しかし、新書判コミックスによる試みが今までのイメージを打破し、コミックスという新たな単行本出版を生んだ。コミックスは多義的な性格を持っており、再録媒体でありながら初出媒体から独立していた。
2章
大手出版社も新書判マンガに参入してきたことで市場争いが激化した。その結果、貸本出版社は淘汰されていった。また、少年・少女週刊誌は新書判コミックスを雑誌形態にすることで様々な場所での販売を可能にした。一方で青年マンガ誌はB6判を採用し、子供向け週刊誌との差別化を図り、新たなコミックスの形を模索した。このようにコミックスが雑誌扱いで販売され、流通期間も保存期間も長期化したことで、コンプライアンス面が重視された。その結果、マンガ雑誌の副次的産物としての「雑誌的」媒体として成立した。
(3) 安藤グループ
・発表者:倉澤
・課題本: 坂本佳鶴恵『女性雑誌とファッションの歴史社会学』(2019)
・発表範囲:4、5、6、7章
[概要]
『主婦之友』の口絵において、皇族女性は「母・主婦」の手本として位置づけられていた。また、戦前の女性単独写真は役割分担が視覚化されていた。戦後になると、美智子妃を女性役割を強調する対象とし、高度成長期の専業主婦モデルの強化を図った。また、女性週刊誌と衣服産業などの変化によりファッションの在り方も変化していった。
(4) 佐藤グループ
・発表者:田邊、宮下
・課題本: 柳下毅一郎『興行師たちの映画史』(2003)
・発表範囲: 4、5章
[概要]
4章
19世紀にシャム双生児のチャンとエンの展示が行われ、奇形人間の見世物が誕生した。1932年にはフリーク映画『フリークス/怪物団』がつくられ、見世物スターの奇妙さが映し出された。『フリークス/怪物団』はホラー映画としてつくられたが、他のフリーク映画では奇形者たちを神秘的に描くものもあった。つまり、フリーク映画はどんな目的であっても、肉体を強調的に魅せるという手段へ帰着するのだ。
5章
カーニバルは見世物として始まり、映画のルーツを色濃く残していた。しかし、その華やかな表舞台の裏には身体損傷やエキゾチズムがあった。カーニバル出身の監督らは、その見世物の見せ方を知っているため、映画のなかで身体損傷やエキゾチズムを露骨に描いた。
2 反省
発表の要点を抑えておかないとその後の展開まで理解できなくなるので、わからなかった点や聞き逃した点があったらしっかり質問する。
作成:大森
編集:佐藤