2020年度:問題分析ゼミ[7]

2020年度問題分析ゼミ第回の議事録です。

日時:2020年6月23日(火)15:20-19:03
会場:zoom
参加者:20名
江下、矢野G(5名)、三ツ松G(6名)、佐藤G(5名)、安藤G(6名)
欠席者:3名
遅刻者:0名
早退者:1名

1 連絡事項
・企画書Googleフォームにて提出
・あまり時間かけすぎないで作る、工夫すること
・資料を探すことに慣れよう
・来月までにインカレ実行可否が出る
・一人5000円の研究費がワークショップにまわるかも?

2 グループ発表
(1) 矢野グループ
・発表者:藤井、兼杉
・課題本:北野圭介『新版ハリウッド100年史講義』(2017)
・発表範囲:5章 70年代以降、6章80年代から90年代

[概要]
5章
・1970年以降、ハリウッドは60年代の教訓から復活を遂げていく
・スター作家による映画作り
・関連業種との連携の緊密化「水平結合」
・新たな大作映画、複合的戦略のひとつとしての映画のイベント化

6章
・「ポスト」古典的ハリウッド
・ハリウッド映画は総合エンターテインメントの拡大に伴ってシンボリック的なものとなる
・関連業界との多角的な連結が自明になる
・『羊たちの沈黙』から始まる90年代

(2) 三ツ松グループ
・発表者:西本、岩本
・課題本:山森宙史『「コミックス」のメディア史』(2019)
・発表範囲:3章「書籍」とコミックス、4章「本屋」とコミックス

[概要]
3章
・第2次ブームのマンガ文庫は「書籍」としての一般性を獲得した。
• 第2次ブームのマンガ文庫はサブカルチャー的書籍性を持っていた。
• 大友克洋の作品は二重の書籍性を持っていた。
• マイナー系コミックスは書籍性を利用して希少性を得た。
• 単なる差異としての書籍性が登場。
• 既存の型としての書籍性が登場。

4章
・登場時の新書版コミックスの位置付けは低かったものの、70年代には常設コーナーが設けられるようになった。
・コーナー常設の動きは書店主体ではなく、出版社や取次会社によるものであった。
・活字文化の担い手であるという自負から葛藤の中でコミックスの導入が展開していったが、書店の役割の再定義によって克服した。
・コミックスの「空間を捻出する力」がマンガ専門店など新たな店の発展にも貢献した。
・「コミックス」概念の曖昧さがそれ自体を存在させる空間の自律性を獲得させる

(3) 安藤グループ
・発表者:尾形
・課題本:坂本佳鶴恵『女性雑誌とファッションの歴史社会学』(2019)
・発表範囲:8~10章

[概要]
・1950年代から雑誌の大判化、表紙の写真化などの「ビジュアル化」の流れはあった。
・「an・an」、「non・no」などに見られる1970年代以前とは異なる女性雑誌のビジュアル化がなされる。←ビジュアルファッション誌への転換
・「an・an」、「non・no」は「女の子」文化を形成した。
・戦前の思春期・青年期未婚女性の間で「オトメ文化」が形成される
・戦前の抒情的な少女雑誌も戦後にはビジュアル化が進んだ。

(4) 佐藤グループ
・発表者:高橋、川戸
・課題本:柳下毅一郎『興行師たちの映画史』(2003)
・発表範囲: 6章セクスプロイテーションの隆盛、7章人種向け映画

[概要]
6章
・ポルノ映画の流行り→性からの解放、個人の自律を表す
・最初は性教育的なものが多かったが、のちにポルノ的側面が強まる
・性的な欲求は人間の基本的な欲望であり、観客を突き動かしてきた
・ポルノ映画こそ見世物映画の美学に最も忠実に発展してきたもの

7章
・エクスプロイテーションフィルムとしての人種映画は観客の強い欲望を満たしていった
・イディッシュ映画は、「重苦しい現実から逃避させてくれる夢」などといった母国への理想が求められた
・ブラックプロイテーションは黒人独立を目指して作られたものだった
・人種の欲望と人間の欲望が混ざったものが人種映画といえる

2 反省
特になし

作成:芦川
編集:佐藤