2021年度問題分析ゼミ第1回の議事録です。
日時:2021年4月13日(火)15:20-18:20
会場:明治大学リバティタワー10階 1105教室
参加者:21名
江下、摂待G(5名)、伊藤G(5名)、田中G(5名)、金内G(5名)
欠席者:0名
遅刻者:0名
1 グループ発表
(1) 摂待グループ
・発表者:平田
・課題本:『消費者・コミュニケーション戦略』
・発表範囲:第1章、第2章
[概要]
第1章
消費者の意思決定プロセスには、「刺激―反応型モデル」や「情報処理型モデル」などの内面的な処理のほか、デモグラフィック要因等の外面的要因が影響しており、現代において消費者の意思決定のプロセスを捉え、適切なメディア・ミックスを実行することは不可欠である。
第2章
これまで消費者行動研究とマス・コミュニケーション研究が交差する機会は少なかった。しかし、限定効果説やアジェンダ設定モデル、U&Gアプローチ、涵養理論などを通してマス・コミュニケーションが消費者行動に与える影響を考察することで、消費者行動論の発展が期待できる。
〈質疑応答〉
質問1:沈黙の螺旋理論と、第三者効果は何に関わると言ったのか。
回答:「他の意見を消費者がどう考えているか」への意識に関わる。
質問2:マスコミと消費者行動論が交わった期間はいつごろか。
回答:具体的な時期があるわけではなく、筆者の主張である。
〈補足事項〉
かつて、新聞の一面やNHK7時台のトップニュースがアジェンダセッティングの機能を果たしていた。しかし、インターネットの発達により、ネットで読む新聞や、Twitterのトレンドが誕生した結果、その立場は揺らいでいる。沈黙の螺旋理論も古くからある理論。「誰も少数派になりたくない」という本質があり、これは現代のネットの炎上に通ずる。
(2) 金内グループ
・発表者:金内
・課題本:『現代広告論(第3版)』
・発表範囲:第1部
[概要]
現代の広告は、送り手と受け手による有料媒体を介したコミュニケーションである。マーケティングの分野では、受け手との長期的な関係を維持するために関係性マーケティングが重要視されているが、全てに適応できるわけではないためIMC(統合型マーケティング・コミュニケーション)の概念が登場したりした。広告取引では、送り手と受け手で良い協力関係を結んでいくことが今後重要になってくる。
〈質疑応答〉
質問1:「関係性マーケティングは全ての企業に有効ではない」というのは、新たな顧客にも目を向けるべき市場もある、という意味か。
回答:企業理念によってマーケティング戦略は変わるということを端的に表わしたもの。
質問2:どこが内容なのか。
回答:広告を利用したマーケティングにおいては、双方向的なコミュニケーションが肝心である。
質問3:IMCの説明をより詳しく。
回答:お客様との窓口であるチャンネルを総合的に管理して、顧客獲得を目指す手法。
〈補足説明〉
広報活動と宣伝は必ずしもイコールではない。広告代理店の仕事は思ったより幅広く、リサーチ、果てには商品開発に携わる場合もある。
マーケティングには正解はなく、事例に合わせて手法を変える。例えば、関係性マーケティングは一生モノの買い物などに有効な手段。(例:百貨店)
(3)伊藤グループ
・発表者:荒川
・課題本:『マーケティング戦略』
・発表範囲:第1章~第3章
[概要]
第1章
企業が事業を展開する際、事業機会・市場需要を探索することが求められる。戦後日本において消費財市場は飛躍的に発展したが、1980年代以降消費者が生活の豊かさを求めるようになり、従来の方法では新事業・新商品が生まれにくくなった。そんな成熟市場における事業機会・市場需要探索のポイント、また企業が長期的な成長を遂げる為の枠組みを紹介する。
第2章
企業は、その独自性を社会に示し、他企業と差別的な存在として確立されていかなければならない。そのため、事業領域を設定し、また事業の多角化を行うことでアイデンティティ形成を行う。そして、これらによって示された企業の固有性により確立された企業アイデンティティが顧客・消費者・社会に発信され、社会的な企業イメージが形成される
第3章
市場空間を選択するにあたり、戦後日本など大衆消費社会においては、消費者を一様に捉えるマス・マーケティングが有効であった。しかし、市場の成熟とともに消費者が個性化すると、市場を細分化するセグメント・マーケティングが求められるようになった。日本においては1980年代ごろ、分化型マーケティングと集中型マーケティングが実行されはじめた。
〈質疑応答〉
質問1:事業策定の段階において、新規企業には顧客のニーズは想定できないのではないか。
回答:顧客集団を定めれば、自ずとニーズも想定できるだろう。
質問2:同一市場内では、何が同じであるべきなのか。
回答:細分化された1つの集団は、同じ消費者層で構成される必要があるという意味。
〈補足説明〉
キリンが一強であったビール市場の中で、アサヒスーパードライの登場は衝撃的であった。このことはマーケティングの分野でも画期的な事例と捉えられている。
ポジショニングはマーケティングにおいては重要であり、マトリックス分析を行ってからポジショニングを行うのが定石。有名なのは、マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」で用いられる分析。
(4)田中グループ
・発表者:田中、吉川
・課題本:『消費者行動論』
・発表範囲:第1章、第2章
[概要]
第1章
消費者の行動を把握する研究分野のことを「消費者行動論」と呼び、顧客志向のマーケティングに変容した現代市場においては、消費者行動の綿密な分析はマーケティングにおいて必要になる視点である。今日のマーケティング上では「脱コモディティ化」が課題だ。
第2章
消費者行動を分析するためにはいくつか考えなければならないことがある。消費者行動といっても個人を指すのか、社会を指すのか。それから、何が消費者の意思決定に影響を与えているのか。本書では個々人の消費行動に焦点を当て、その行動を「意思決定をする行為」として分析している。
〈質疑応答〉
質問1:「7つのO」の6つ目と7つ目をもう一度教えてください
回答:販路(outlets)、活動(operations)
質問2:外的要因の「準拠集団」と家族は何故わけられているのか。
回答:本の中で、家族は「社会を構成する基本単位」とされているので分かれている。
〈補足説明〉
「作れば売れる」状態(例:産業革命の綿工業)と、「モノが過剰にある」段階ではマーケティング手法は異なるもの。「コモディティ化」は現代においては重要なワード。「コモディティ化」によって「差別化」が難しくなると、最終的に価格競争が引き起こされ、企業によって利益も不利益も生み出す。
2 反省
マスクを付けての長時間のプレゼンは息が苦しくなりがちなので、途中に飲み物を飲むなどして対策していきたい。
作成・編集:田中