2021年度:問題分析ゼミ[3]

2021年度問題分析ゼミ第3回の議事録です。

日時:2021年4月27日(火)15:20-19:50
会場:明治大学リバティタワー10階 1105教室(同時にzoomによるリアルタイム講義)
参加者:20名
江下、高橋、摂待G(5名)、伊藤G(5名)、田中G(4名)、金内G(5名)
欠席者:1名
遅刻者:0名

1 グループ発表
(1) 伊藤グループ
発表:伊藤、長坂
課題本:和田充夫ほか『マーケティング戦略 第5版』有斐閣(2016)
範囲:第8章―第11章

[概要]
第8章
企業の成長には、同じ製品を売り続けるだけではなく、新製品をときに応じて導入していかなければならない。マーケティングにおいて製品について考えるとき、「新製品」や「製品ライフサイクル」、「ブランド・マネジメント」などの要素が含まれる。
第9章
マーケティングにおいて、価格設定は重要な要素であり、企業がある意図のもとで設定している。設定された価格の中にはさまざまな工夫がなされている。
第10章
マーケティングにおけるコミュニケーション対応の課題は、ますます重要性を高めており、企業は消費者に向けて様々な情報を発信し、消費者の認知度や理解度を高めていく必要がある。そのために用いられるコミュニケーション要素は、製品のタイプや販売戦略によってウェイトが異なり、企業が消費者に伝えたい内容によって各要素の内容も異なる。
第11章
今日、流通チャネル対応は、マーケティングの中でも最も重要な意思決定課題になりつつある。チャネル戦略の体系は大きくは、チャネル選択とチャネル管理に分けることができ、その国の流通構造に大きく規定される面がある。また、組織間関係のマネジメントが複雑なため簡単に変更ができないので、チャネル戦略は長期的かつ高度な意思決定が必要となる。
〈質疑応答〉
質問1:アロウワンスは一般の消費者にも使える概念なのか?
回答:業者や流通に関しても、アロウワンスが使われるらしいので使えるかと

質問2:チャネル選択に関して、取引コストは誰が払うものなのか?
回答:取引する人すべて、取引参加者が払う必要がある
質問3:そもそもチャネルとは?
回答:製品が消費者に届く過程とのこと
質問4:組織間関係のマネジメントが複雑とはどういうことか?
回答:環境が複雑になっているので、企業間での連絡の取りあいが難しくなってきていて、
  チャネルの選択も慎重にしていかないといけないということ
質問5:延期―投機理論について詳しい説明を
回答:投機―メーカーが世情を読んで大量生産することであるため、経済性が獲得しやすいということ
〈補足〉
固定費とは「人件費、家賃などの何もしなくても出ていくお金」、損益分岐点とは「これより下がると利益が出ないとする収益見込み」のこと。ジェイムス=ヤングの書籍である『アイデアの作り方』には、アイデアづくりのエッセンスが詰まっている。パワーコンフリクトは、品の状況によって店の力関係が変わることを示す。

(2) 金内グループ
発表:荒牧
課題本:岸志津江ほか『現代広告論 第3版』有斐閣(2017)
範囲:第7章―第9章

[概要]
第7章
現代では、広告計画を立案する際には消費者の視点を持つことが必要である。また、広告効果の起きる過程は、5段階に分けられる。そのような広告効果の過程や、消費者の購買意思決定の過程には複数のモデルが存在している
第8章
広告表現とは、広告目標を達成するために、広告主が伝えたいポイントを、受け手が理解しやすいように伝える広告物を企画、制作することである。広告物は多くの段階を経て、また多くの人が携わることで作り上げられている。
第9章
広告媒体の種類は多様であり、さらに増加傾向にある。異なる媒体を比較する場合には、オーディエンス概念を利用することができる。また、媒体計画の立案過程はおよそ9つの手順に分類できる。
〈補足〉
最近の雑誌の付録は増加傾向にあり、書店の場所を食ってしまっている。ネット広告は様々な組織が関わっており、複雑である。これらの混在ぶりの認識に「カオスマップ」というものを用いることができる。

(3) 摂待グループ
発表:正木
課題本:田中洋『消費者・コミュニケーション戦略』有斐閣(2006)
範囲:第5章―第6章

[概要]
第5章
メディアとメッセージ
第6章
総合マーケティング・コミュニケーション戦略
〈質疑応答〉
質問:裏の裏のメッセージとは何か?
回答:パッと見た言葉通りのメッセージとは、内情の異なった広告のことかと
〈補足〉
マーケティングの考え方は、合理的に組みあがっているが、その重要性は日本ではあまり広まっていない。

(4)田中グループ
発表:儘田
課題本:青木幸弘ほか『消費者行動論』有斐閣(2012)
範囲:第6章―第8章
第6章
消費者の認知的な情報処理のメカニズムについて概説する。消費者を一つの情報処理システムとして捉えることにより、消費者を取り巻く様々な環境の詳細を外部情報として捉えることが出来るようになる。
第7章
消費者の情報処理は理想とする目標と現実の状態のギャップも認識することから始まる。情報処理の動機としての問題認識や消費者が動機づけられるメカニズムを考える。
第8章
情報処理能力は消費者の持つ知識に規定される。知識を量的側面だけではなく、質的側面からも捉える必要がある。また、重要視されるようになった専門知識力とは。
〈補足〉
脳のなかの知識処理の話がこの節のメインであり、80年代に認知心理学の分野で定説化した内容である。我々の知識は言語的であり、言葉として理解したものでないと、長期記憶にならない。クリエイティブな人ほど、感じたものを言語化(文字や、音楽的、絵画的意味も含んだ広い意味)できる。これはトレーニングで成長可能である。つ「蓄えた知識同士をどう脳内で結びつけるか」を鍛えることになる。言葉を知っていることで、記号や象徴に意味を結び付けられるようになる。言語的プロセスこそ"理解"、つまりは、知識の体系化ができているということだ。

(概要は各レジュメより引用)

2 反省
今回の発表も非常に長時間に渡って行われた。後半の班になるにつれて、内容が入ってこなくなってしまうことが懸念される。プレゼンを全員が丁寧に行っている障害として、発表時間が非常に伸びている。個人的見解だが、もう少し内容をまとめつつ発表時間を削り、足りない部分は質疑応答で解決していく方が良いのではないか、と感じた。

作成:金内
編集・反省作成:田中