2021年度問題分析ゼミ第5回の議事録です。
日時:2021年5月18日(火)15:20-18:50
会場:明治大学リバティタワー10階 1105教室(zoomによるリアルタイム講義)
参加者:21名
江下、摂待G(5名)、伊藤G(5名)、田中G(5名)、金内G(5名)
欠席者:0名
遅刻者:0名
1 グループ発表
(1) 金内グループ
・発表者:小坂井
・課題本:『現代広告論(第3版)』
・発表範囲:第13章、第14章
[概要]
第13章
ほとんどの広告は営利的言論であり、責任が伴いさまざまな制約がある。規制は法規制、自主規制、公正競争規約に分けることができ、これらの広告規制により公正競争の維持、消費者の保護、社会的秩序の維持、企業の社会的責任を示すことができる。時代に応じて変化する広告規制に対応していかなくてはならない。
第14章
消費行動のグローバル化にともない、広告活動もグローバル化することが必要になった。しかし実際にはグローバル化は進んでおらず、適切なグローバル広告活動管理による中長期的な戦略が求められている。グローバル化には標準化とローカル化が存在し、それぞれのメリットや条件を検討していくことが必要である。しかしそこにはHQの介入度などの課題などもあり広告をしっかり管理することが求められる。
〈質疑応答〉
質問1:協同作業方式に出てくるCDとは?
回答:広告活動を主導する立場の人間
質問2:RHQが管理する範囲はどこまでなのか。
回答:本書には記述はないが、ローカル=国と考えると、RHQはアジア、ヨーロッパなどの区切りになるのではないか。
〈補足〉
広告規制においての疑似科学は、一見すると科学らしく語られているので、否定するのにコストがかかる。RHQは三大市場(北米、EU・イギリス、アジア・パシフィック)に設けられることが多い。昔はアジアパシフィックの拠点は日本だったが、今はシンガポールや香港におかれることが多い。
(2)伊藤グループ
・発表者:伊藤、長坂
・課題本:『映像文化の社会学』
・発表範囲:第1章~第4章
[概要]
第1章
写真は「世界をそのまま写しとる」という発想から始まった。複製不可能なダゲレオタイプが広がり、その痕跡性に支えられた文化が広がった後、ネガ・ポジ法が台頭してくると写真は大衆化し、複製可能な写真に
支えられる文化が始まった。現代では「撮る」ことが日常化しており写真のマスメディア化が進み、「撮る」ことと「見る」ことが一体となった新しい写真の文化が形成されている。
第2章
映画は科学装置として発明されたが、「撮影」を中心とした製作者の文化から「鑑賞」を中心とした消費者の文化への変容が起こった。「見る」文化としての映画には「アトラクションの映画」「古典的映画」「ポスト古典的映画」の3つのパラダイムがあり、それぞれ議論がなされてきた。現代では映画はパーソナル化しており、また映画文化は「見る」ということに囚われなくなった。
第3章
テレビは「通信」として発明されたが、その存在は「通信」と「放送」の間で揺れ動いてきた。「放送」として受容されると、テレビはナショナルな共同体を産み出したり人々の生活時間を編成したりした。テレビを「見る」ことはパーソナル化し、テレビはまた「通信」と「放送」の間で揺れ動いている。
第4章
パソコンがパーソナルという意味をもったのは「物質」「映像」「文化」の3つのパーソナル化が背景にある。GUIの整備、分散型ネットワーク思想の導入がなされ、文化としてのパーソナル化が進んだ結果、映像文化をカスタマイズできるようになった。現在も3つのパーソナル化は進んでいる。
〈質疑応答〉
質問1:レジュメに書いてある「1対1の通信的な発想から生まれた」という記述について詳しく。
回答:遠くの人と1対1で会話したい、そこに絵を合わせたいという「通信」的な発想からできた。→後に社会的な要請で、「放送」が始まるようになる。
〈補足〉
パソコンには「メディア」の機能がある。以前は現像に使う薬品は自分で調合する必要があったので、化学に強くないとつくれなかった。「コダック」が誕生してから、写真のシステムを大衆化した。「テレビ」は元々レーダー開発の一環として開発。軍事的に、レーダーで受信した映像が見たかった。次に「テレビ電話」、そして「テレビ放送」が生まれた。
(3)田中グループ
・発表者:村上
・課題本:『消費者行動論』
・発表範囲:第13章、第14章、第15章
第13章
消費者のブランド選択において、選択対象が自らのニーズをどの程度満たしうるかについて、消費者が主観的に解釈した理論駆動型処理やデータ駆動型処理などの、情報処理プロセスにおける商品解釈プロセスを分析する必要がある。このプロセスに応用してプッシュ戦略とプル戦略などの適切なマーケティング戦略を行うことが重要になってくる。
第14章
消費者が購買する際には、知覚空間と呼ばれる心理的空間が大きくかかわっている。ポジショニングにより競合企業の脅威の存在を知ることができ、そこから差別化を図っていく必要がある。知覚空間には4つの消費者タイプがあり、それぞれに違ったマーケティング戦略を行っていく必要がある。
第15章
コモディティ化が起きる背景には企業側の問題と需要側の問題があり、価値の強化と新たな価値の創造によって脱コモディティ化を進める必要がある。また、ブランド概念の変遷とその中で重要視されるブランド知識がどのように構築されるかを考えることで企業と消費者の関係を良好に保つことができる。
(4) 摂待グループ
・発表者:山岸
・課題本:『消費者・コミュニケーション戦略』
・発表範囲:第9章、第10章
[概要]
第9章
企業経営の観点から、顧客満足はマーケティングの中心的課題の1つとされている。顧客の期待水準と実際のパフォーマンス水準の一致不一致は顧客満足に影響してくる。顧客満足のマネジメントにはブランドの認知や理解をつくるマーケティング・コミュニケーションも重要な役割を担っている。
第10章
グローバル化により市場に世界各国の多種多様な消費者が存在する。そこで、世界標準化戦略と現地適正化戦略のどちらを選択するべきかを文化の影響力から判断する必要がある。このように、文化による消費者の価値観や行動の違いを考慮しながらマーケティング・ミックスを行っていく必要がある。
〈補足〉
「ハイコンテクスト」:決まりが多く、楽しむために色々お約束事が必要なのは、ハイコンテクスト「お約束事がわかること」(例:ワインソムリエ、野球)
「ローコンテクスト」:だれでも共感しやすい。単純構造。(例:漫画、サッカー)
2 反省
全ての班が1冊目を終えた。発表にも少しずつ慣れて、5限の時間で締めることができた。