2022年度:問題分析ゼミ[4]

2022年度問題分析ゼミ第4回の議事録です。

日時:2022年5月10日(火)15:20-18:00
会場:リバティータワー1141教室
参加者:22名
江下、高橋、村川G(5名)、三浦G(5名)、米田G(4名)、山岡G(5名)
欠席者:1名
遅刻者:0名

1 グループ発表
(1) 三浦グループ
・発表者:三浦
・課題本:『新版ハリウッド100年史講義』(北野圭介著、平凡社、2001)
・発表範囲:第6章 世界が舞台、拡大するハリウッド映画
[概要]
ハリウッドは、70年代から続いた超大作の製作や二次・三次利用を積極的に進めながらも、物語映画への回帰を図ることで、ビジネス的にも作品の内容においても世界へ進出することとなった。
〈質疑応答〉
質問1:若者映画はなぜ作られたのか。
回答:本に記載なし
質問2:物語へ回帰した背景は何か。
回答:映画祭で、映画作家によるシリアスな物語映画が好まれた。

(2) 山岡グループ
・発表者:荒木
・課題本:『ハリウッド映画史講義』(蓮實重彦著、ちくま学芸文庫、2017)
・発表範囲:第3章 神話都市の廃墟で
[概要]
ハリウッドの撮影システムは、金銭的な崩壊から、資本主義とのアメリカとの対立に負け、規定がつくられた。規定がなくなり、自由を「ヘイズ・コード」により規定され、それが衰退を加速させた。
〈質疑応答〉
質問1:ヘイズコードとは具体的にどういうものか。
回答:犯罪や性暴力など民衆に対して影響力を持っていた過激なものへの規定
質問2:語られるものから見せるものとはどういうことか。
回答:制約されている中で、シナリオや特殊なショットなどでシナリオ的な映画になった。
質問3:ロバート・アルドリッチはなぜそれほど重要なのか。
回答:赤狩りの時にあえて映画を擁護した。
質問4:クレオパトラなぜこんなに失敗したのか。
回答:撮影所システムが崩壊、商品の管理などがずさんになってしまった。売り上げがあっても、製作費が大きいと赤字は生まれてしまう。

⑶村川グループ
・発表者:川添、村川
・課題本:『フランス映画史の誘惑』(中条省平著、集英社、2003)
・発表範囲:第7章 フランス映画の安定期、第8章 個性的な作家たち、第9章 映画の革命
[概要]
第7章
第二次世界大戦後、50年代のフランス映画では「フィルム・ノワール」が盛んになった。その中でも特にジャック・ベッケルは非フランス的な率直さを表現した。
第8章
[概要]
ブレッソンとタチは、その当時の「時代」だけではなく、集団的アートであるが故に発生する映画特有の相互の「影響」をも無効にしてしまうような作品を残した。また、フランジュとアストリュックは<ヌーヴェル・ヴァーグ>の先行者に位置付けられる。
第9章
青年たちによる映画批評と映画製作運動を意味する<ヌーヴェル・ヴァーグ>は、「カイエ派」であるトリュフォー、ゴダール、ロメール、リヴェット、シャブロルといった人物がいた。また、「カイエ派」の他に「左岸派」もあった。
〈質疑応答〉
質問1:ロマンティック喜劇とはどういうものか。
回答:美男俳優を使ったもの。現実と理想の間を揺れ動き皮肉な笑みを浮かべる。
質問2:ベッケルが三島由紀夫に与えた影響とは。
回答:影響を受けた作品の記載はなし。ベッケルの沈黙と行動の美学が彼に影響を与えたのではないか。
質問3:フランスのフィルム・ノワールで男の友情と裏切りが描かれたのはなぜか。
回答:ベッケルが使用したため。
質問4:カイエ派と左岸派はどちらが上なのか。
回答:優劣はないが、カイエ派が人気。

(4) 米田グループ
・発表者:坂入、米田
・課題本:『興行師たちの映画史』(柳下毅一郎著、青土社、2018)
・発表範囲:第7章 人種向け映画、第8章 ウイリアム・キャッスルと付加価値商法
[概要]
第7章
人種向け映画とは特定の条件でしか存在し得なかった。ブラックスプロイテーションは元々白人による搾取を意味していた。現代では、ヒップホップなどの文化の一部としての黒人の自尊心を高める存在となっている。
第8章
スクリーンに映されている映画そのものだけでなく、映画外のギミックも含めて映画体験である。多様なギミックを用いて観客を怖がらせようとしたウイリアム・キャッスルは映画の形式や映画館の在り方を変えた。巨大画面化や立体音響を試みる動きもギミックの一部であり、映画に新たな価値を付け加えた。
〈質疑応答〉
質問1:イディッシュ映画はなぜ衰退したのか。
回答:WWⅡで試乗がなくなったため衰退した。
質問2:ブラックスプロイテーションに反発はなかったのか。
回答:本に記載なし
質問3:黒人受け映画の具体的な内容は何か。
回答:黒人ヒーローが悪組織を倒す話など。
質問4:ギミック映画の上映に反乱を起こした人はいたのか。
回答:映画館で暴れる人もいた。
質問5:臆病者というサインをするのは効果があるのか。
回答:臆病者コーナーでみんなが見ている中サインをする。スピーカーでは煽りナレーションが流れており、それが抑止効果になったのではないか。

2 反省
私が仕事を放棄したこと。すみませんでした。

作成:川添
編集:三浦