2022年度問題分析ゼミ第9回の議事録です。
日時:2022年6月14日(火)15:20-18:50
会場:リバティータワー1141教室
参加者:22名
江下、高橋、村川G(5名)、三浦G(5名)、米田G(5名)、山岡G(5名)
欠席者:0名
遅刻者:1名
1 グループ発表
(1) 山岡グループ
・発表者:山崎、榎本
・課題本:『『キング』の時代―国民大衆雑誌の公共性』(佐藤卓己著、岩波書店、2002)
・発表範囲:第5章 「キング=富士」のファシスト的公共性、結 国民雑誌の戦後
[概要]
第5章
戦時体制化で『キング』は娯楽雑誌から大衆雑誌へ変わっていったが、消費量は多いままであった。
結
『キング』は戦後、テレビの普及の影響も受けて急激に衰退していく。そして細分化した雑誌と国民の変化はキングを終刊へと導いていった。
〈質疑応答〉
質問1:総力戦体制、「財産と教養」から「言語と国籍」とはどういうことか
回答:財産も教養もある人だけではなく「日本人」に向けて作る。
質問2:統合前の富士はどういう雑誌だったのか
回答:読み物雑誌
(2) 米田グループ
・発表者:斎藤
・課題本:『『平凡』の時代 1950年代の大衆娯楽雑誌と若者たち』(阪本博志著、昭和堂、2008)
・発表範囲:第4章 『平凡』の時代の若者たち、第5章 もうひとつの戦後社会論にむけて
[概要]
第4章
『平凡』の読者であった若者たちは連帯意識をもって、読者と編集者、または読者同士で交流を行っていた。文通や支部活動を行う「平凡友の会」の存在は『平凡』と同様に過渡期的存在であった。
第5章
「平凡」は「送り手」「受け手」「スター」の三者を軸とし、展開してきた。
〈質疑応答〉
質問1:平凡はこれまで政治や送り手受け手などいろいろな二項対立をなくしていったという認識であっているか
回答:右左だけじゃない、二つに分けるだけじゃない交流の仕方があるということ
質問2:平凡の衰退はどういった背景があったか
回答:テレビの普及により影響力が落ち、平凡だけに力を入れなくてもいいという考えがあった。友の会の会員が続かなかったことも理由である。
(2) 三浦グループ
・発表者:飛世、三浦
・課題本:『「アイドル」のメディア史』(田島悠来著、森話社、2017)
・発表範囲:第5章 雑誌の作り手側にとっての「アイドル」、第6章 『明星』と「アイドル」の変容
[概要]
第5章
『明星』は若い男女に受け入れられ、「アイドル誌」としてのポジションを確立した。
『明星』編集者たちは読者ページに大きく介入していた。篠山紀信は『明星』、「アイド
ル」にとって大きな存在であった
第6章
80年代からアイドル誌はジェンダー分化していく。そんな中でも男女均一を保っていた明星は、アイドルの出現が困難になった時代で人気も衰えていく。それを救ったのはジャニーズの存在であった。
〈質疑応答〉
質問1:篠山紀信の写真に読者はどう思っていたのか
回答:ショックを感じてはいたけれど売れていたという事実がある
質問2:篠山紀信はグラビアを変えたのか
回答:本に記載なし
補足:篠山紀信は激写という単語を生み出し、写真を掲載するページ=グラビアという本来の意味を変えたとも言える。
(4) 村川グループ
・発表者:村川、田中、ショウ
・課題本:『平凡パンチの時代』(塩澤幸登著、河出書房新社、2009)
・発表範囲: 第8章 生涯一編集者、清水達夫と大橋歩、第9章 永遠の映画少年、第10章 闘士対戦士
[概要]
第8章
『平凡パンチ』の創刊を成功させた清水達夫の裏には、イラストレーターの大橋歩との伝説的な出会いがあった。しかし、最終的に方針が定まらなくなり衰退の道を辿った『平凡パンチ』には、その劇的な成功の理由と表裏一体の弱点が存在した。
第9章
映画がテレビなどによって衰退した。しかしその中でも映画側は様々な運動によってあ
る種の活性化が起きていった。
第10章
ボクシングの黄金時代は"フライ級三羽ガラス"と呼ばれたファイティング原田・海老原博幸・青木勝利という三つの選手が支えていた。
〈質疑応答〉
質問1: なぜボクシングの黄金時代が平凡パンチの時代と重なって、ボクシングがあるからパンチの時代になるのか
回答:そもそもボクシングが人気のスポーツなので、『パンチ』も自然にたくさんの記事を書いたので、この時代ではボクシングと平凡パンチが重ねているから。
質問2:誰でも模倣できない、試していない雑誌を作るというのはどのような感じか
回答:『パンチ』は今までなかったものをつくりたい、『プレイボーイ』などの雑誌は作り始めたとき模倣することがあり、平凡は最初から新しい物を作りたいから。
2 反省
もう少し質問が出たらいいと思った。
作成:ショウ
編集:三浦