2021年度入学の学生(つまり2023年度の問題分析ゼミの対象となる大半の学生)については、卒業研究(卒業論文、卒業制作など)の単位化の対象となります。これに対する当ゼミの対応をお知らせします。
まず、当ゼミは卒業研究単位化の対象となっています。したがいまして、所定の書式に従って卒業研究の成果物を提出し、単位認定基準を満たせば、4年次の取得単位として認められます。
一方、単位化の対象のゼミであっても、卒業研究を必須とするかどうかは各ゼミの判断に委ねられており、当ゼミでは必須としては扱いません。つまり、卒業研究に取り組みたい学生は取り組めばよし、取り組みたくない学生はスルーしてよし、取り組もうとしたけれども途中でやめたくなった学生も問題なし、ということです。また、卒業研究の単位と問題解決ゼミナールの単位は独立した扱いになりますので、4年ゼミのゼミの単位認定および成績評価は、卒業研究をやる・やらないに関係ありません。
3年次後期にはリサーチ演習をおこないますが、せっかく実務的な演習をおこなうのであれば、自分でちゃんと研究調査報告書を作成するトレーニングを積んだほうが学生にはプラスになるのではないか......そのように判断したために、卒業研究実施ゼミといたしました。一方、4年次の学習計画は就活や課外活動の状況に大きく左右されるため、卒業研究を必須にするのは適当ではないと考えました。ゆえに、やる・やらないは各人の任意の判断といたしました。
なお、当ゼミで卒業研究の成果物に想定しているのは、論文ではなく卒業制作(研究調査報告書)です。なにが違うのか? 論文というのは、問題提起・仮説・検証がセットになったドキュメントであり、どのように小さな問題であろうと、未解決の問いを設定し、それに答えねばなりません。一方、研究調査報告書は論文よりも想定される範囲が広く、数値データやインタビュー調査の結果を取りまとめて何らかの考察を加えた形式を充たせばおおむね成立します。たとえば、ある製品の将来市場を予測する。SNSで拡散したデマの発生から収束までのプロセスを追跡調査する。1990年代のテレビドラマに出演した俳優の共演関係のネットワークを指標化する。こうした取組をまとめたものが研究調査報告書です。
......と説明しても、具体的なイメージは湧きづらいと思います。3年次秋学期の演習を通じ、リサーチの実務を経験したうえで、なにをどう取り組めばいいかをイメージできるようになればいいのではないか、と考えます。