日時:2023年11月14日(火)15:20-18:50
会場:リバティータワー1141教室
参加者:15名
江下、許田G(3名)、阿部G(5名)、内山G(3名)、福井G(4名)
欠席者:5名
遅刻者:3名
早退者:3名
1 グループ発表
(1) 阿部グループ(2班)
・発表者: 小林
・課題本:佐藤卓己『『キング』の時代 国民的大衆雑誌の公共性』(2020)
・発表範囲:第2章「キング」の二つの身体
【概要】
国民的雑誌であるキングがどのように作られたのかを、野間清治の行き過ぎた立身出世主義から読み解いていく。さらにキングに至るまでに発行した「倶楽部雑誌」というキングにとって欠かせない雑誌がありそれらは読者たちをキングへと統合していく過程でとても重要な役割を持つものであった。そしてキングはほかの雑誌にはないラジオ的な要素を持つことでほかの雑誌と一線を画すものになった。
・発表者: 南
・課題本:佐藤卓己『『キング』の時代 国民的大衆雑誌の公共性』(2020)
・発表範囲:第3章「ラジオ的雑誌」の同調機能(グライヒシャルトゥンク)
【概要】
ラジオと『キング』は特色の似たメディアであり、相補的な役割を果たしていた。第一章
では講談社の演説文化について、第二章では利用者との関わり方から、第三章では「声」の資本主義化を表すキングレコードの観点から、ラジオと『キング』の親和性について解
説していく。
【補足事項】
・ 立身出世主義の二つのルート
頭の出来が良い子供は中学、高校、帝国大学まで行く。高い学歴を得ると、高い社会的地位と高収入を得ることが出来るといわれていた。必然的に財産を蓄える期間が減る。スポンサーがつくこともある。
身体がしっかりしている子供は、軍人となって様々な成果を上げ勲章を得る。
ここで前提として重要なのは、立身出世は男性のみ適用するということ。帝国大学に入学できるのは、実質的に男性のみ。立身出世を果たす男性にふさわしい教養を身に着けるため、高等女学校が設立された。
・博文館や実業之日本社の雑誌が流通のルートの基盤を作った。
・「キング」の誕生によって、大衆雑誌の細分化が行われた。
・1925年にラジオ放送が始まったが、東京・大阪・名古屋のみしか放送局がなかった。そのため、一部の都市でしか普及していなかったので、地方の人々は「キング」などの雑誌からラジオの情報を得ていた。
福井グループ(4班)
・発表者: 竹内
・課題本:阪本博志『『平凡』の時代〜1950年代の大衆娯楽雑誌と若者たち〜』(2008)
・発表範囲:第2章
【概要】
「平凡」では住所掲載や地方読者のための通信販売などによって読者参加企画が多く行われていて人気だったように、ただ「見て」「読む」だけではない多様な魅力があった。Mまた、「平凡」は、読者を引き込む発想は「作り手」と「読み手」という上下の二項を無効化していた。高度成長における重要な三つの国家的イベントに象徴する雑誌を創刊し、週刊誌が続々と登場する「週刊誌ブーム」が発生した。その後、アイドルの登場によって、大衆娯楽誌からアイドル誌として変容していき、「平凡」は、テレビでは見られないアイドルの姿を見ることが出来る新たな媒体装置となり,読者の年齢層も若くなっていった。
【補足事項】
60年代に「週刊誌ブーム」があったことは押さえておくべしポイント。月刊だと、内容が陳腐化し、雑誌の需要が減少してしまう危険性があったため、「週刊」にする必要があった。週刊になると、回し読みの習慣は減少し、読者それぞれが雑誌を購読するようになった。
許田グループ(1班)
・発表者:鈴木
・課題本:難波功士『族の系譜学 ユース・サブカルチャーズの戦後史』(2007)
・発表範囲:フーテン族とアンノン族と暴走族
【概要】
60年代ごろから大量の若者が東京圏を目指し、フーテン族やアンノン族と呼ばれる集団が生まれた。1980年代以降から若者はリスクの追求、ジェンダー観、地元への愛着が動機となり暴走族になる。雑誌などのメディアの存在により、暴走族のスタイルは全国平準化していった。さらに、高度経済成⻑の恩恵で若者の多くが様々な娯楽を通して自己主張ができるようになった。
【補足事項】
・フーテンとは、フーテナリーとは、連帯して何かをすることを意味する。定職にはつかず、時間的拘束のない人々や仕事後普通とは違う行動を行う人々。公害問題が悪化していた60年代後半からそのような反社会的な人々が目に付くようになった。ホームレスを意味するものは、「ルンぺ」といわれている。
・高度成長期の都市部の人口増。地方の人々は横浜など新興の住宅地に移り住む。このような新興の地は盛り場がない。
・暴走族の重要なポイントは、学校文化からのドロップアウトで、コミュニティが広がらなくなる。目立つことが重要で、服装やバイクなどが悪趣味化していった。
内山グループ(3班)
・発表者: 菅井
・課題本:木村涼子『〈主婦〉の誕生 婦人雑誌と女性たちの近代』(2010)
・発表範囲:第3章 主婦の規範〈修養の章〉
【概要】
読者は、婦人雑誌の提供する記事の中から自らの「修養」に役立つ情報、つまり、女性としての正しい生き方、素晴らしい生き方とはなにかを吸収していた。それは、『主婦之友』の誌面にて「賞賛されるべき女性」として大きく6つのタイプに分けられる。
【補足事項】
・産業革命以前は、男女とも家事担当だったが、以後家電の発展により男性がやるべき火事がなくなり、女性のライフスタイルの変化していった。ちなみに、アイロンが初めての家電製品として広がった。
・「家族に愛情を注げ」というイデオロギーが婦人雑誌から発信された。(アップルパイなど手間なもの)なぜ? 新しいライフスタイルを呈示することでビジネスを発展させるため。
・武家以外は「貞婦・節婦型」のような自己犠牲的なタイプではなかった。江戸っ子などは割と自由度が高かった。
2 反省
特になし。
作成:菅井
編集:内山