日時:2023年11月21日(火)15:20-18:50
会場:リバティータワー1141教室
参加者:15名
江下、許田G(3名)、阿部G(3名)、内山G(4名)、福井G(5名)
欠席者:5名
遅刻者:0名
早退者:5名
1 グループ発表
(1)内山グループ(3班)
・発表者:西岡
・課題本:木村 涼子「〈主婦〉の誕生 婦人雑誌と女性たちの近代」(2010)
・発表範囲:第4章『主婦のファンタジー〈慰安の章〉』
【概要】
様々な作家によって支えられた通俗小説では、その中に描かれるヒロインの欲望と、女
性読者の欲望が一致していた。そんな欲望を満たすものとして小説は近代日本において
ファンタジックな存在であったといえる。
【補足】
小説は息抜きの需要として遺影にいる時間が長い主婦に好まれ、婦人雑誌に載るようになった。昭和15年~30年までは軟弱な小説は許容されていたが、それ以降は軍により活動の制限が行われたため、愛国小説が紙面を占めるようになった。ロマンティック・ラブは主に武家に見られ、その背景には政略結婚がある。つまり、娘を差し出すという点で、贈与の価値を高めるために純正品(純潔)が重視された。一方、一般庶民はフリーセックス的な考え方で、離縁されて出戻った娘が多かった。当時、女学生は在学中、純潔規範を重視していたが、卒業すると結婚を求められるというような矛盾が生じた。在学中の男性や恋愛感情に対する否定的感情を調和したものとして、同性に対する感情を恋愛に置き換えるような百合小説的な疑似恋愛があげられる。
(2)福井グループ(4班)
・発表者:福田
・課題本:阪本 博志「平凡」の時代(2008)
・発表範囲:第3章『休刊にいたる途』第2節 平凡の休刊を巡って、第4章『『平凡』の時代の若者たち』第1節 躍進期『平凡』の読者像
【概要】
『平凡』の休刊は状況の悪化や、『明星』の影響など、様々な要因により決定された。そ
こには、マスメディアの影響も存在した。また、『平凡』というものは、人々の生活にとって大切なものであった。
【補足】
平凡は今のスマホやイヤホンを含めたツールのような存在で、その影響はその時代にしか発揮していないことに留意する。スターやアイドルのイメージを作り上げるのは、ジャーナリズムが大きく関わっており、私生活をでっちあげることで価値を高めていた。また、平凡出版を集英社が真似をすることが多かった。篠山紀信はスタジオカメラマンとして有名で、当時では珍しく、機材を使って撮りまくった。その中から大量に撮って良いものを選ぶため、良い表情を捉えることが出来たが、これは邪道だという批判もあった。それを押しのける程の人気が篠山にはあったという。
(3)許田グループ(1班)
・発表者:石田
・課題本:難波 功士「族の系譜学」(2007)
・発表範囲:第8章『クリスタル族クラスとテイストのセクト』、第9章『おたく族からオタクへ』
【概要】
クリスタル族とオタクは当時の文化に大きな影響を与えた。それらがどのように形成され、どのように進化したかを見ていく。
【補足】
クリスタル族の男子はポパイ、女子はJJが主流であった。これらは都市部の学生の都会文化を形成し、109が象徴的である。当時はアウトドアスポーツとファッションの結びつきがライフスタイルになっており、スポーツファッションが流行した。トレンドをセットするのは雑誌側で、キャッチする人がトレンドセッターと呼ばれた。一方、オタク文化はSFがツールで、80年代前後根暗と呼ばれ、クリスタル族のアウトドアと対照的にインドアであった。団塊の世代後の若者はしらけ世代と称され、大学生が政治を語ることは無意味という風潮が広まった。その政治活動などの時間が遊びに振り分けられ、留年したり、バイトをしたりするのはごく普通のことであった。女性オタクを象徴する作品が手塚治虫の「海のトリトン」であった。
(4)阿部グループ(2班)
・発表者:西薗
・課題本:佐藤卓己 『キング』の時代 国民的大衆雑誌の公共性(2020)
・発表範囲:第1章『「ラジオ的雑誌」のトーキー化』、『第2章「雑誌報国」と「映画国策」』、第3章『「日刊キング」と戦争ジャーナリズム』
【概要】
『キング』は、映画と結びつきを強めトーキー化し、野間は映画分野にも進出し人々の教育にもかかわるようになった。また、戦時中も戦地での需要は大きくさらに発行部数は増えていった。
【補足】
昔は報道映画も一般的にあったが、テレビ放送の開始によりそれらは縮小していった。習慣や、映画が提供する娯楽が今とは違ったことに留意する。それぞれのメディアがコラボしながら消費者を増やしたことも特徴である。
2 反省
特になし
作成:西岡
編集:内山