2023年度:問題分析ゼミ[19]

日時:2023年12月5日(火)15:20-18:50
会場:リバティータワー1141教室
参加者:17名
江下、許田G(3名)、阿部G(4名)、内山G(5名)、福井G(5名)
欠席者:3名
遅刻者:3名
早退者:5名

1 グループ発表
(1)福井グループ(4班)
・発表者:藤原
・課題本:すがやみつる『コミカライズ魂』(2022)
・発表範囲:第1章『コミカライズ前史』
【概要】
1970年前半にコミカライズ作品が増加。手塚治虫はディズニーファンで有名。好きすぎて勝手に「ピノキオ」などを漫画化してしまう。石ノ森章太郎は都会的な絵で天才。競争が激しい月刊少年誌は綴込みの付録で顧客を獲得。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
・漫画映画は視聴率がとれるかわからないから普及しなかった。
・低学年向けの話だったが、高学年向けのものもあった。007シリーズのコミカライズはその代表例。ミッションインポッシブルも。
・漫画を原作としたドラマ化。他の国に比べて関係が深いから注目すべき点。

(2)内山グループ(3班)
・発表者:池村
・課題本:木村涼子『主婦の誕生』(2010)
・発表範囲:第3章『主婦であることの魅力』
【概要】
1920、30年代に夫婦は対等な関係であるべきという考え、家庭は内、社会は外という考えが根づく。理想の夫婦像も変化。妻は常に綺麗であるべき、性愛の重視などの変化があった。夫は理想の夫像の議論になるだけで十分の変化があった。
婦人雑誌が持つ社会的影響は主婦として女性を方向付けるなどがある。
【質疑応答】
特になし

【補足事項】
誰しもが結婚できたわけではない。

発表者:内山
・課題本:木村涼美『JJとその時代』(2022)
・発表範囲:第1章『JJとその時代』、第2章『女性誌は生き方を想定する』
【概要】
1990年に雑誌JJは絶大な人気を得た。平均的な日本人はあまり裕福ではないが、日本人離れしたモデル、ハイブランドの採用は親近感からは程遠いものだった。理由は雑誌JJが理想と現実をつなぐ架け橋になっていたためだ。そのため、JJ読者は自分を磨き、ハイスペックな男性と結婚することで自身の手の届かない生活を手に入れることができると信じていた。そのため、雑誌JJは当時を生きる女性に何が正しいのかの指針のような役割を果たしていた。JJの読者はその後、「VERY」、「CLASSY」の読者へと変わっていた。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
1990年にハイブランド雑誌が流行ったのはそこまで不景気ではなかったというのもある。
1997年以降が不景気。雑誌は97年まで上昇傾向だった。97年以降もあまり落ちていなかった。90年代はファッション誌の多様化があった。特に、上の年代の読者層を狙ったものが増えた。ライフステージの多様化も重要。キャリア志向の強い女性など。

(3)阿部グループ(2班)
発表者:南、細野
・課題本:赤木洋一『アンアン』(2007)
・発表範囲:第1章『パリ・レオミュール通り100番街』、第2章『はじめまして!アンアンです』、第3章『六本木 アンアンエルジャポン編集室』
【概要】
第1章、第2章
アンアンの立ち上げに携わった赤木洋一。アンアンはフランスンのエルの日本版として開始。他の重要人物は清水達夫、堀内誠一。アンアンが与えた影響は新しい女性の日本誌としての役割を果たす。具体的にはファッション誌とトラベルガイドを合わせたような形態。
第3章
アンアンは大型サイズでの出版であったため創刊が遅れた。この変形の形は広告でも違いを見せた。変形文字を次々と生み出したのも特徴。平凡は歌と映画とスターで読者に夢を与えたが、ヨーロッパへの旅という夢をアンアンは与えた。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
アンアンは創刊当時、あまり売れていなかった。しかし、大判という形式は画期的だった。
読者がそのすごさを消化できなかったということが要因と考えられる。アンアンはテキストとビジュアルの2つに分けたという点で画期的だった。

(4)許田グループ(1班)
発表者:許田
・課題本:『旅の系譜学』
・発表範囲:第12章、13章
【概要】
ギャルが1970年代に爆誕した。制服の着崩し&華やかな私服をしている人のことを言う。
ギャルは消費のターゲットとして注目されるようになる。メディアとの関連は雑誌やポケベル、携帯電話の発展が浸透を加速させた。写真というメディアを通して友達がいる自分を確認するために、プリクラの文化が発展した。
1970年以降原宿は若者の街として発展。オリジナルのブランドが店を構える。土地の価格が高騰し、フェイクのものが流通するなど社会問題もあった。ある種の秘匿性、階級やジェンダーが自由という特徴が大事。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
黒子ギャルはあまり学校に行かない。白子ギャルの遊びを黒子ギャルが真似るようになったという文脈があり、少し複雑。現代のギャルのイメージは全てのギャルのイメージを総括したものとなっている。その理由はメディアが面白可笑しく発信したからである。ギャル雑誌の背景を理解するには、雑誌に出ることが一番手っ取り早いということを理解する必要がある。ギャル男はカリスマ高校生男子のこと。キューティーという雑誌が裏原を扱っていた。

2 反省
よく聞けた発表とそうでない発表との差異が激しく、概要の欄があまりかけない発表があった。レジュメを読んでから臨むべきだと思った。

作成:伊藤