2023年度:問題分析ゼミ[21]

日時:2023年12月19(火)15:20-18:50
会場:リバティータワー1141教室
参加者:18名
江下、許田G(3名)、阿部G(5名)、内山G(5名)、福井G(4名)
欠席者:3名
遅刻者:6名
早退者:2名

1 グループ発表
(1)安部グループ(2班)
・発表者:安部、小林
・課題本:赤木洋一『アンアン』(1970)
・発表範囲:第4章、第5章、第7章、第8章
【概要】
第4章
筆者は再びパリへ向かった。そこでアンアンの配布を行った。その中でベロというフランス人と出会った。彼女はアンアンの表紙を飾ることになる。その後、彼らは日本に帰国する。
第5章
芝崎編集長という破天荒な人物が登場する。真偽は不明だが、彼は路上にウナギを撒いたという話も存在する。当時、筆者の感覚ではアンアンは「人気がある雑誌」というイメージで「売れる雑誌」というイメージはなかった。
第7章、第8章
雑誌に載せる写真については筆者と女性編集者の間で意見が真っ二つに割れることになる。載せる商品の価格を巡って議論が起こることになる。また、アンアンの返品率は40%という高い数字を持っていた。その中で芝崎編集長の理不尽さも目立っていた。その後、芝崎が退職したことにより、編集部の雰囲気は良い方向に変化していくことになる。だが、三島由紀夫の死をきっかけにその変化は悪い方向に逆戻りしていった。また、集英社にアンアンの研究が行われていたことも筆者には衝撃を与えた。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
「独占禁止法」が小売店の販売に影響を与えている。販売点が販売について裁量権を持っている。「再販売価格」という仕組みも存在する。この仕組みが適応される商品には限りがある。また、本屋に入ってくる利益というものは決して多くはないため、万引きが与える影響は大きい。さらに、在庫を多く残すことは管理する側にも負担がかかるため、定期的に処分が行われる。また、アンアンは実用性がなかったため、あまり売れなかった。

(2)内山グループ(3班)
・発表者:西岡
・課題本:鈴木涼美『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』(2021)
・発表範囲:第5章『エビちゃんOLとは何だったのか』、第6章『JJの終焉と「自由」な若者たち』
【概要】
CanCanでは新しいコピーである「めちゃモ」というものが使われた。これは「めちゃモテ」から来たものである。この頃、高級ブランドが消えていき、「プチプライス」が主流になっていく。2012年には初の女性編集長が生まれる。彼女はJJ的精神を理解した雑誌を目指した。2019年にはターゲットを20歳前後の大学生にしていた。現在では紙媒体での発行を中止している。そして、現在に至るまで雑誌の役割は変化してきた。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
雑誌というものは時代からズレてしまうと消えることになる。1990年代には女子大生の定義化が難しくなっていた。この事態が雑誌に与えた影響力というものは非常に大きかった。CanCanは別のターゲットを見つけたことにより、一時期は人気を誇っていたが、それも長続きはしなかった。また、ブランドというものが意識されなくなかったことも非常に重要である。

(3)許田グループ(1班)
・発表者:鈴木、許田
・課題本:『90年代テレビドラマ講義』(出版年)
・発表範囲:第7章、第8章、第9章、第10章、第11章、第12章
【概要】
第7章
1994年に放送された「私の運命」の主人公千秋のように「自立した女性」を描く作品が多く登場した。
第8章
筆者は「人気ドラマ」に嫌悪感を抱えていた。「ビューティフルライフ」や「ロングバケーション」の2作品は高視聴率を記録したが、閉鎖的なシチュエーションで展開されたこれらのドラマにあまり良い印象は持たなかった。
第9章、第10章
「眠れる森」は野沢ワールド全開の作品だった。このドラマはドラマに対する姿勢を変化させた作品である。「Days」でも「眠れる森」に似た点を持つ作品であった。
第11章
続「高校教師」は様々な点で失敗が目立った作品だった。
第12章
「冬のソナタ」は様々な点で日本のドラマに圧勝した作品だった。
【質疑応答】
特になし
【補足事項】
ドラマにおいて脚本家が果たす役割は非常に大きい。ドラマにおいてはキャスティングに目がいきがちであるが、脚本家にも注視するべきである。視聴環境が影響しているともいえる。

2反省
自分自身の速度が発表についていけなかったので、そこを改善したい。

作成:福田
編集:内山